「早く再就職したいけど、失業保険をもらいきれないのはもったいない」——そんな悩みを解決するのが再就職手当です。早期に再就職が決まった場合に、失業保険の残日数に応じてまとまった金額が一括支給される制度です。
この記事では、再就職手当の受給条件・支給金額の計算方法・申請手順を詳しく解説します。
再就職手当とは
再就職手当は、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給資格者が、早期に安定した職業に就いた場合に支給される就職促進給付の一つです(雇用保険法第56条の3)。
ポイント:再就職手当は「失業保険をもらいきれない分の補填」ではなく、「早期再就職へのインセンティブ」として設計されています。早く再就職するほど多くもらえる仕組みです。
再就職手当の受給条件(8つの要件)
再就職手当を受け取るには、以下のすべての条件を満たす必要があります。
- 7日間の待期期間が満了している
- 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある
- 再就職先が前職の会社と密接な関係にない
- 自己都合退職の場合、待期期間満了後1ヶ月間はハローワーク紹介または認定された紹介事業者による再就職に限る
- 再就職先で1年を超えて雇用される見込みがある
- 再就職先で雇用保険に加入する
- 過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていない
- ハローワークに求職の申込みをした日以前に内定していない
特に注意:自己都合退職(給付制限あり)の場合、待期期間(7日間)終了後の最初の1ヶ月間は、ハローワークの紹介または厚生労働大臣の許可を受けた職業紹介事業者の紹介による就職のみが再就職手当の対象です。2ヶ月目以降はこの制限がなくなります。
再就職手当の金額|計算方法と具体例
計算式
| 支給残日数 | 支給率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 70% | 基本手当日額 × 70% × 支給残日数 |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 60% | 基本手当日額 × 60% × 支給残日数 |
具体的な計算例
ケース1:早期再就職(支給残日数が3分の2以上)
所定給付日数:90日 / 支給残日数:70日 / 基本手当日額:5,500円
再就職手当 = 5,500円 × 70% × 70日 = 269,500円
ケース2:再就職(支給残日数が3分の1以上)
所定給付日数:120日 / 支給残日数:50日 / 基本手当日額:6,000円
再就職手当 = 6,000円 × 60% × 50日 = 180,000円
基本手当日額の上限:再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限があります。60歳未満は6,395円、60歳以上65歳未満は5,170円が上限です(2025年8月1日〜の金額。毎年8月に改定)。
再就職手当の申請手順
申請の流れ
- 再就職が決まったらハローワークに報告:就職日の前日までにハローワークの窓口で報告し、「再就職手当支給申請書」を受け取る
- 再就職先に書類記入を依頼:申請書の事業主記入欄を、再就職先の会社に記入・押印してもらう
- ハローワークに申請書を提出:就職日の翌日から1ヶ月以内に提出(郵送も可)
- 支給決定・振込:審査を経て、約1〜2ヶ月後に指定口座に振り込まれる
必要書類
- 再就職手当支給申請書(ハローワークで配布)
- 雇用保険受給資格者証
- 再就職先の雇用契約書または労働条件通知書(コピー可)
再就職手当をもらうための戦略的なポイント
早期再就職が圧倒的に有利
再就職手当は「早く就職するほど多くもらえる」設計です。支給率が70%(残日数3分の2以上)と60%(残日数3分の1以上)では、受け取れる金額に大きな差が出ます。
早期再就職と遅い再就職の比較
所定給付日数90日・基本手当日額5,500円の場合:
残日数70日(70%):5,500 × 0.7 × 70 = 269,500円
残日数35日(60%):5,500 × 0.6 × 35 = 115,500円
差額:154,000円
「就業促進定着手当」も活用する
再就職先の賃金が前職より低い場合、その差額を補填する就業促進定着手当も受け取れる可能性があります。再就職手当の受給者が対象で、再就職先に6ヶ月以上勤務した後に申請できます。
退職代行利用者の再就職手当
退職代行サービスを利用して退職した場合でも、再就職手当の受給条件を満たしていれば問題なく受け取れます。再就職手当の受給要件に退職方法は含まれていません。
ただし、離職票の退職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、待期期間後の制限が異なる点は通常の退職と同じです。
退職の手続きは退職エクスプレスにおまかせ
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よくある質問
再就職手当はいくらもらえますか?
支給残日数が3分の2以上残っている場合は基本手当日額の70%×残日数、3分の1以上残っている場合は60%×残日数が支給されます。例えば基本手当日額5,000円で残日数90日(3分の2以上)の場合、5,000円×70%×90日=315,000円が支給されます。
再就職手当の申請期限はいつまでですか?
再就職した日の翌日から1ヶ月以内にハローワークに申請する必要があります。期限を過ぎると受給できなくなるため、再就職が決まったらすぐに手続きしましょう。
退職代行を使って辞めた場合でも再就職手当はもらえますか?
はい、退職代行を利用して退職した場合でも、再就職手当の受給条件を満たしていれば受け取れます。再就職手当の受給要件に退職方法は含まれていません。ただし、自己都合退職の場合は待期期間後の1ヶ月間はハローワーク紹介の就職先に限られるなどの条件があります。
