退職を考えるとき、「退職金はもらえるのか」「いくらもらえるのか」は大きな関心事です。特に退職代行サービスを利用して退職する場合、退職金への影響を心配される方も多いでしょう。
この記事では、退職金の相場・計算方法・受取条件から、退職代行を利用した場合の取り扱い、退職金が支払われないときの対処法まで詳しく解説します。
退職金制度の基本——法律上の義務ではない
まず押さえておきたいのは、退職金は法律で支払いが義務づけられているものではないということです。退職金制度は、各企業が就業規則や退職金規程で独自に定めるものです。
退職金制度の導入率:厚生労働省「就労条件総合調査」(2023年)によると、退職金制度がある企業は全体の約74.9%です。企業規模が大きいほど導入率が高く、従業員1,000人以上では約90%、30〜99人では約70%となっています。
退職金の有無を確認する方法
- 就業規則を確認する(退職金規程が別冊になっている場合もある)
- 労働条件通知書・雇用契約書の退職金欄を確認する
- 人事・総務部門に問い合わせる
- 入社時に受け取った社員ハンドブック・福利厚生案内を確認する
退職金の相場|勤続年数・退職理由別の目安
勤続年数別の退職金相場(大学卒・自己都合退職)
| 勤続年数 | 大企業 | 中小企業 |
|---|---|---|
| 3年 | 約30〜60万円 | 約15〜30万円 |
| 5年 | 約60〜120万円 | 約30〜70万円 |
| 10年 | 約200〜400万円 | 約100〜200万円 |
| 20年 | 約700〜1,200万円 | 約300〜600万円 |
| 定年退職 | 約1,500〜2,500万円 | 約500〜1,000万円 |
※上記は一般的な目安であり、業種・企業の退職金制度によって大きく異なります。
自己都合退職と会社都合退職の違い
多くの企業の退職金規程では、退職理由によって支給額が異なります。
一般的な傾向:自己都合退職の場合、会社都合退職と比べて退職金が20〜30%程度低く設定されていることが多いです。また、勤続3年未満では退職金が支給されない規定を設けている企業も少なくありません。
退職金の計算方法
退職金の計算方法は企業によって異なりますが、代表的な方式は以下の3つです。
1. 基本給連動型
最も一般的な計算方式で、退職時の基本給をベースに算出します。
計算例
退職金 = 退職時の基本給 × 支給係数 × 退職事由係数
例:基本給30万円 × 支給係数10.0(勤続10年) × 退職事由係数0.8(自己都合) = 240万円
2. 定額型(テーブル方式)
勤続年数に応じた金額があらかじめ定められている方式です。基本給の変動に左右されないため、退職金額が予測しやすいのが特徴です。
3. ポイント制
勤続年数・等級・貢献度などに応じてポイントが付与され、退職時のポイント合計にポイント単価を掛けて算出する方式です。近年採用する企業が増えています。
退職代行を利用しても退職金は受け取れる
結論から言えば、退職代行を利用しても退職金は受け取れます。退職金は就業規則や退職金規程に基づいて支払われるものであり、退職の手段によって減額・不支給になることはありません。
退職代行利用で退職金に影響がない理由
- 退職金は労働契約・就業規則に基づく労働者の権利
- 退職代行の利用は退職の方法であり、退職金の支給要件とは無関係
- 退職代行を理由に退職金を減額・不支給にすることは就業規則の不利益変更にあたる
注意:退職代行サービスは退職届の作成・送付・電話通知を代行しますが、退職金の金額に関する話し合いは行えません。退職金の金額に疑問がある場合や、支払われない場合は、弁護士や労働基準監督署に相談してください。
退職金が支払われないときの対処法
就業規則に退職金の定めがあるにもかかわらず、退職金が支払われない場合は以下の手順で対応しましょう。
- 就業規則・退職金規程を再確認:支給条件を満たしているか確認
- 会社に書面で支払いを請求:支払い期限を明記した請求書を送付
- 労働基準監督署に相談:退職金が就業規則に明記されている場合、賃金と同様の扱いとなり、不払いは労働基準法違反の可能性あり
- 弁護士に相談:内容や金額に争いがある場合は弁護士を通じた法的手続きを検討
退職金にかかる税金
退職金には所得税・住民税がかかりますが、退職所得控除があるため、通常の給与より税負担は軽くなります。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
税金の計算例(勤続10年・退職金300万円の場合)
退職所得控除額:40万円 × 10年 = 400万円
課税対象額:300万円 − 400万円 = 0円(退職金全額が非課税)
この場合、退職金にかかる税金は0円です。
退職金の税金を適正に処理するために、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出しましょう。未提出の場合は20.42%が源泉徴収されますが、確定申告で差額を取り戻すことができます。
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よくある質問
退職代行を使っても退職金はもらえますか?
退職代行を利用しても退職金は受け取れます。退職金は就業規則や退職金規程に基づいて支払われるものであり、退職の手段(自分で伝えたか、退職代行を利用したか)によって減額・不支給になることはありません。ただし、退職金制度自体がない会社もあるため、就業規則を確認することが重要です。
退職金の相場はいくらですか?
厚生労働省の調査によると、大学卒の定年退職者の退職金は平均約2,000万円、勤続20年で約1,000万円が相場です。ただし、自己都合退職の場合は会社都合退職より20〜30%程度低くなるのが一般的です。中小企業はさらに低い傾向があります。
退職金が支払われない場合はどうすればいいですか?
就業規則や労働契約書に退職金の支払い規定がある場合、会社には支払い義務があります。退職金が支払われない場合は、まず会社に書面で請求し、それでも支払われない場合は労働基準監督署に相談するか、弁護士に依頼して請求することができます。
