年の途中で退職した場合、会社での年末調整が受けられなくなるため、自分で確定申告を行う必要があります。確定申告をすることで、払いすぎた所得税が還付されるケースが大半です。
この記事では、退職後の確定申告が必要なケース・不要なケース、必要書類、申告手順、還付金の目安まで詳しく解説します。
退職後に確定申告が必要なケース・不要なケース
退職後に確定申告が必要かどうかは、再就職の有無と時期によって異なります。
| 状況 | 確定申告 | 理由 |
|---|---|---|
| 年内に再就職しなかった | 必要 | 年末調整を受けられないため |
| 年内に再就職し、年末調整を受けた | 原則不要 | 再就職先で前職分も含めて年末調整 |
| 退職金を受け取った(退職所得の受給に関する申告書を提出済み) | 原則不要 | 退職金は分離課税で源泉徴収済み |
| 退職金を受け取った(申告書を未提出) | 必要 | 20.42%の源泉徴収がされており、還付の可能性大 |
| 副業・フリーランス収入がある | 必要 | 給与以外の所得が20万円を超える場合 |
ポイント:年の途中で退職して年内に再就職しなかった場合、ほとんどのケースで所得税の還付を受けられます。給与から天引きされていた所得税は「年間通して同じ給与が続く」前提で計算されているため、途中退職で年収が下がった分、払いすぎた税金が戻ってきます。
確定申告に必要な書類一覧
確定申告をスムーズに行うために、以下の書類を事前に準備しましょう。
- 源泉徴収票:退職時に会社から発行されます(所得税法226条により、退職後1ヶ月以内の発行義務あり)
- マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード+本人確認書類)
- 各種控除証明書:生命保険料・地震保険料・社会保険料(国民健康保険・国民年金)の控除証明書
- 医療費の領収書:年間10万円を超える医療費がある場合(医療費控除)
- 住宅ローン控除の書類:該当する場合
- 還付金の振込先口座情報:本人名義の銀行口座
源泉徴収票が届かない場合:退職後1ヶ月を過ぎても届かない場合は、まず会社に連絡して発行を依頼しましょう。それでも発行されない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することで、税務署から会社に指導が入ります。
確定申告の手順と期限
申告期限
確定申告の期間は、退職した翌年の2月16日から3月15日です。ただし、還付申告(税金が戻ってくる場合)は、翌年の1月1日から5年間いつでも提出できます。
還付申告は5年間有効:「確定申告の時期を逃してしまった」という場合でも、還付申告は退職した年の翌年1月1日から5年間提出可能です。過去の分でもまだ間に合う可能性があります。
申告の方法は3つ
| 方法 | 特徴 | おすすめの人 |
|---|---|---|
| e-Tax(スマホ・PC) | 自宅から24時間申告可能。マイナンバーカードが必要 | 自宅で完結したい方 |
| 税務署の窓口 | 職員に相談しながら作成可能。混雑期は待ち時間あり | 初めてで不安な方 |
| 郵送 | 国税庁HPで作成した申告書を印刷して郵送 | 税務署が遠い方 |
e-Taxでの確定申告の流れ
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス:国税庁のウェブサイトから利用できます
- マイナンバーカードで本人認証:スマホのNFC機能またはICカードリーダーを使用
- 源泉徴収票の内容を入力:支払金額、源泉徴収税額、社会保険料等の金額を転記
- 各種控除を入力:生命保険料控除、医療費控除など該当するものを入力
- 還付金額を確認して送信:自動計算された還付金額を確認し、振込先口座を入力して送信
還付金の目安と受取までの期間
還付金額の目安
還付金額は退職時期と年収によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
| 退職時期 | 年収300万円の場合 | 年収500万円の場合 |
|---|---|---|
| 3月退職 | 約3〜5万円 | 約5〜10万円 |
| 6月退職 | 約2〜4万円 | 約4〜8万円 |
| 9月退職 | 約1〜3万円 | 約2〜5万円 |
上記はあくまで目安であり、扶養控除や各種保険料控除の金額によっても変動します。正確な金額は確定申告書作成コーナーで源泉徴収票の内容を入力すれば自動計算されます。
還付金の受取までの期間
確定申告書を提出してから還付金が振り込まれるまでの期間は以下のとおりです。
- e-Taxの場合:約2〜3週間
- 書面提出の場合:約1〜2ヶ月
退職金の確定申告
退職金については、通常の給与所得とは別に「退職所得」として分離課税されます。
「退職所得の受給に関する申告書」を提出済みの場合
退職時に会社へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出していれば、退職金にかかる所得税は正しく源泉徴収されているため、確定申告は原則不要です。
申告書を提出していない場合
申告書を未提出の場合、退職金に対して一律20.42%が源泉徴収されています。退職所得控除を適用すれば税額が下がるケースが多いため、確定申告をすることで差額が還付されます。
退職所得控除の計算式:
勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
勤続年数20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)
退職後に払う税金・届く通知の注意点
住民税の支払い
住民税は前年の所得に基づいて計算されるため、退職後も支払いが発生します。退職時期によって一括徴収か普通徴収(自分で支払い)に切り替わります。詳しくは住民税の手続きガイドをご覧ください。
退職代行を利用した場合の確定申告
退職代行サービスを利用して退職した場合でも、確定申告の手続きは通常の退職と全く同じです。源泉徴収票は退職後に会社から郵送されます。届かない場合は税務署に届出をすることで対応可能です。
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よくある質問
年の途中で退職したら確定申告は必要ですか?
年内に再就職しなかった場合は確定申告が必要です。会社が行っていた年末調整が受けられないため、自分で確定申告をすることで払いすぎた所得税が還付される可能性があります。再就職先で年末調整を受けた場合は原則不要です。
退職後の確定申告で還付金はいくらもらえますか?
還付金額は収入や退職時期によって異なりますが、年の前半に退職した場合は数万円〜十数万円の還付を受けられるケースが多いです。毎月の給与から天引きされていた所得税は年収見込みで計算されているため、実際の年収が少なければ差額が戻ります。
確定申告に必要な書類は何ですか?
源泉徴収票(退職時に会社から発行)、マイナンバーカードまたは通知カード、本人確認書類、各種控除の証明書(生命保険料控除証明書など)、還付金の振込先口座情報が必要です。源泉徴収票は退職後1ヶ月以内に会社が発行する義務があります。
