「退職したいけど、何から手をつければいいかわからない」——そんな方のために、退職を決意してから退職完了・退職後の手続きまで、やるべきことを時系列で整理しました。
この記事のチェックリストを上から順番に潰していけば、退職代行を使わなくても自力で退職を完了できます。ブックマークして、一つずつ確認しながら進めてください。
【退職決意〜2週間前】準備フェーズ
退職届を出す前にやっておくべき準備です。ここをしっかりやっておくと、退職後のトラブルを大幅に減らせます。
- 退職日を決める(届出から最短2週間後。有給消化を含めて逆算)
- 就業規則を確認する(退職届の提出期限、退職金の条件など)
- 有給休暇の残日数を確認する(給与明細や勤怠システムで確認)
- 退職届を作成する(「退職願」ではなく「退職届」を使う)
- 引き継ぎ資料の作成に着手する
- 私物を少しずつ持ち帰り始める
- 社用PCやスマホから個人データを削除する
- 転職先がある場合は入社日を確認・調整する
退職届と退職願の違い:「退職届」は一方的な解約の申入れで、会社の承諾は不要。「退職願」は会社に承諾を求める書面で、拒否される可能性があります。確実に辞めたい場合は「退職届」を使いましょう。
【2週間前】退職届の提出
退職届を提出するフェーズです。民法627条により、届出から2週間で退職が成立します。
- 直属の上司にアポを取り、退職の意思を伝える
- 退職届を手渡し、または郵送で提出する
- 退職届のコピーを手元に保管する(証拠として)
- 退職日・最終出社日を上司と確認する
- 有給休暇の消化を申請する
上司への伝え方のポイント
退職を切り出すときは、以下の点を意識しましょう。
- 個室で1対1で伝える:会議室や応接室など、他の人に聞かれない場所を選ぶ
- 退職理由は「一身上の都合」で十分:詳細な理由を言う義務はない
- 相談ではなく報告として伝える:「辞めたいのですが…」ではなく「退職届を提出します」
- 退職届は必ず持参する:口頭だけだと「聞いていない」と言われるリスクがある
引き止められた場合:「ありがたいお話ですが、退職の意思は変わりません」と繰り返しましょう。退職は労働者の権利であり、会社に拒否する権限はありません(民法627条)。
【2週間前〜退職日】引き継ぎ・整理フェーズ
退職届を受理されてから退職日までの間にやるべきことです。
- 引き継ぎ資料を完成させる(業務一覧、進行中案件、連絡先リスト)
- 後任者への引き継ぎを開始する(後任が未定でも資料だけ作成)
- 社内の挨拶(必要に応じて。メールでも可)
- 取引先への挨拶・後任者の紹介(営業職等の場合)
- デスク・ロッカーの整理、私物の持ち帰り
- 業務用メール・チャットの整理
引き継ぎは義務?法的には引き継ぎ義務はありませんが、信義則上の協力義務はあるとされています。最低限の引き継ぎ資料を作成しておけば、トラブルを防げます。詳しくは「引き継ぎ資料の作り方」をご覧ください。
【最終出社日】やることリスト
最終出社日は意外とやることが多いため、前日までにリストを確認しておきましょう。
- 引き継ぎの最終確認を後任者と行う
- 貸与品を返却する(保険証、社員証、名刺、鍵、制服、PC等)
- 私物を全て持ち帰る
- 社内メール・システムのログアウト確認
- 退職に関する書類を人事部から受け取る(退職証明書等)
- 関係者への挨拶
自力での退職が難しいと感じたら
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【最終出社日】返却するもの・受け取るもの一覧
| 区分 | 品目 | 備考 |
|---|---|---|
| 返却するもの | 健康保険証 | 退職日翌日に資格喪失。扶養家族分も全て返却 |
| 社員証・IDカード | 入館証・セキュリティカードも含む | |
| 名刺(自分の分・取引先から受け取った分) | 会社の判断による。確認しておく | |
| 制服・作業着 | クリーニングして返却がマナー | |
| 社用PC・携帯電話 | 個人データを削除してから返却 | |
| 鍵・駐車場カード | ロッカーの鍵も忘れずに | |
| 受け取るもの | 雇用保険被保険者証 | 転職先で必要。会社が保管している場合 |
| 年金手帳 | 会社が預かっている場合のみ | |
| 退職証明書 | 請求すれば会社は発行義務あり(労基法22条) | |
| 源泉徴収票 | 退職後1ヶ月以内に交付(所得税法226条) |
返却品や受取書類の詳しい手順は「退職時の貸与品返却・私物回収ガイド」で解説しています。
【退職後】社会保険・税金の手続き
退職後は自分で各種手続きを行う必要があります。期限があるものが多いため、早めに動きましょう。
退職後すぐ(〜14日以内)
- 健康保険の切り替え手続き(以下の3択から選択)
- 国民年金への切替手続き(市区町村役場。退職後14日以内)
- 住民税の支払い方法を確認(普通徴収に切替)
健康保険の3つの選択肢
| 選択肢 | 手続き先 | 期限 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険に加入 | 市区町村役場 | 退職後14日以内 | 所得に応じた保険料。退職理由により軽減制度あり |
| 任意継続 | 協会けんぽ or 健保組合 | 退職後20日以内 | 在職時の保険を最大2年間継続。保険料は全額自己負担 |
| 家族の扶養に入る | 家族の勤務先 | 速やかに | 年収130万円未満が条件。保険料負担なし |
退職後10日〜1ヶ月
- 離職票が届いたらハローワークで失業保険の手続き(離職票は退職後10日以内に届くはず)
- 源泉徴収票を受け取る(退職後1ヶ月以内に届くはず)
- 転職先が決まっていない場合は失業給付の申請
離職票が届かない場合:退職後2週間経っても届かない場合は、まず会社に催促しましょう。それでも届かない場合はハローワークに相談すれば、ハローワークから会社に督促してくれます。詳しくは「会社が書類を出してくれない時の対処法」をご覧ください。
年末〜翌年3月
- 年内に転職しなかった場合は確定申告(翌年2月16日〜3月15日)
- 源泉徴収票を使って所得税の精算(還付を受けられることが多い)
退職手続きの全体スケジュール
| 時期 | やること | 担当 |
|---|---|---|
| 退職決意時 | 退職日の決定、就業規則確認、退職届作成 | 自分 |
| 2〜4週間前 | 上司に退職の意思を伝え、退職届を提出 | 自分 |
| 退職届提出後 | 引き継ぎ資料作成、後任への引き継ぎ | 自分 |
| 最終出社日 | 貸与品返却、私物回収、挨拶 | 自分 |
| 退職日 | 社会保険資格喪失、雇用保険資格喪失 | 会社 |
| 退職後〜14日 | 国民健康保険加入、国民年金切替 | 自分 |
| 退職後〜10日 | 離職票の発行・送付 | 会社 |
| 退職後〜1ヶ月 | 源泉徴収票の発行・送付 | 会社 |
| 離職票到着後 | ハローワークで失業保険の手続き | 自分 |
自力退職を成功させるためのポイント
- 退職届は必ず書面で出す:口頭だけでは「聞いていない」とトラブルになるリスクあり
- 退職届のコピーは必ず保管する:提出した証拠になる
- 有給消化は遠慮なく申請する:有給休暇は労働者の権利(労基法39条)
- 引き止めには応じない:一度退職を決意したら、意思を貫く
- 退職後の書類が届かない場合は催促する:2週間待っても届かなければ会社に連絡
まとめ:このチェックリストで自力退職は完了できる
退職は大きな決断ですが、やるべきことは明確です。このチェックリストを一つずつ潰していけば、退職代行を使わなくても自分で退職手続きを完了できます。
ただし、以下のような場合は無理をせず、専門家の力を借りることも検討してください。
- 上司のパワハラが酷く、退職を切り出せない
- 退職届を受け取ってもらえない
- 精神的に会社とのやり取りが限界
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よくある質問
退職届はいつまでに出せばいいですか?
民法627条により、退職届が会社に届いてから2週間で退職が成立します。就業規則で「1ヶ月前」と定められていても、法的には2週間前で有効です。余裕を持って退職日の2〜4週間前に提出するのが一般的です。
退職後に届く書類にはどんなものがありますか?
主な書類は、離職票(退職後10日以内)、源泉徴収票(退職後1ヶ月以内)、退職証明書(請求した場合)、雇用保険被保険者証です。届かない場合はハローワークや税務署に相談できます。
退職時に保険証は返却する必要がありますか?
はい。社会保険の保険証は退職日の翌日に資格を喪失するため、会社に返却する必要があります。郵送での返却も可能です。返却後は国民健康保険への加入か、任意継続(退職後20日以内に申請)の手続きが必要です。
