「退職したいけど、お金が心配で踏み切れない」——退職を考えている多くの方が、経済面の不安を抱えています。しかし、事前に準備し、使える制度を把握しておけば、退職後のお金の不安は大幅に軽減できます。
この記事では、退職前に準備すべき貯金額の目安、退職後に活用できる公的支援制度、固定費の見直しポイントを詳しく解説します。
退職前に必要な貯金額の目安
最低限必要な貯金の計算方法
退職前に確保しておきたい貯金額は、以下の計算式で算出できます。
必要貯金額 = 月の生活費 × 再就職までの想定月数 − 失業保険の受給見込額
計算例:月の生活費20万円、再就職まで3ヶ月の場合
必要な生活費:20万円 × 3ヶ月 = 60万円
失業保険(自己都合退職・待期期間あり):給付開始まで約2ヶ月+7日
失業保険の受給見込額:約15万円(1ヶ月分)
必要貯金額:60万円 − 15万円 = 約45万円
一般的な目安
| 状況 | 推奨貯金額 |
|---|---|
| すぐに再就職する予定がある | 生活費1〜2ヶ月分 |
| 転職活動をしてから再就職 | 生活費3〜4ヶ月分 |
| しばらく休養してから再就職 | 生活費5〜6ヶ月分 |
| 独立・起業を考えている | 生活費6ヶ月〜1年分 |
退職後に活用できる公的支援制度
退職後は各種の公的支援制度を活用することで、経済的な負担を軽減できます。
失業保険(基本手当)
雇用保険に加入していた期間が12ヶ月以上あれば、退職後に失業保険を受給できます。支給額は退職前の給与の約50〜80%で、90〜330日間受給可能です。
自己都合退職の場合:待期期間7日間+給付制限2ヶ月(2020年10月以降の退職で過去5年以内に2回以内の場合)の後に給付が始まります。この期間の生活費は貯金で賄う必要があります。
詳しくは失業保険のもらい方をご覧ください。
国民健康保険料の軽減
会社都合退職(非自発的失業)の場合、国民健康保険料が最大70%減額される制度があります。前年の給与所得を30%とみなして保険料が計算されるため、大幅な負担軽減になります。
国民年金の免除・猶予
退職後に国民年金の保険料(月額16,980円・2024年度)の支払いが困難な場合、免除申請が可能です。
| 免除区分 | 保険料 | 年金額への反映 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 0円 | 2分の1 |
| 4分の3免除 | 約4,250円 | 8分の5 |
| 半額免除 | 約8,490円 | 8分の6 |
| 4分の1免除 | 約12,740円 | 8分の7 |
退職(失業)を理由とする特例免除は、本人の前年所得に関わらず申請可能です。離職票や雇用保険受給資格者証を市区町村の窓口に持参して申請しましょう。
住民税の減免
退職後に所得が大幅に減少した場合、住民税の減免制度を利用できる自治体もあります。詳しくは住民税の手続きガイドをご覧ください。
退職前にやっておくべき固定費の見直し
退職後の出費を減らすために、退職前から固定費を見直しましょう。
見直しの効果が大きい固定費
| 固定費 | 見直し方法 | 月の節約目安 |
|---|---|---|
| 携帯電話 | 格安SIM(MVNO)に乗り換え | 3,000〜5,000円 |
| サブスクリプション | 使っていないサービスを解約 | 1,000〜5,000円 |
| 保険 | 不要な保険の解約・見直し | 3,000〜10,000円 |
| 光熱費 | 電力会社・ガス会社の切り替え | 1,000〜3,000円 |
| ジム・習い事 | 一時的に休会・退会 | 5,000〜15,000円 |
効果的な順番:固定費の見直しは「金額が大きい」「すぐ実行できる」ものから取り組むのが効果的です。携帯電話の乗り換えとサブスクの解約だけでも、月に5,000〜10,000円の節約が可能です。
退職後の収入源を確保する
失業保険の受給
最も基本的な収入源です。退職後すぐにハローワークで手続きし、受給開始までの期間を最短にしましょう。
退職金の活用
退職金制度がある場合は、まとまった資金を確保できます。退職金の相場と計算方法で受け取れる金額の目安を確認しましょう。
有給休暇の消化
退職前に有給休暇を消化すれば、その分の給与が支給されます。有給消化中は給与が出るため、実質的な退職日を先に延ばすことができます。
職業訓練の受講
公共職業訓練を受講すれば、訓練期間中は失業保険が延長されます。スキルアップと収入の確保を同時に実現できます。
退職代行の費用も「投資」と考える
退職代行の費用は、心身の健康と時間を取り戻すための「投資」です。パワハラや過重労働で体を壊してしまえば、医療費や休業による収入減少のほうがはるかに大きな損失になります。
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よくある質問
退職前にいくら貯金があれば安心ですか?
一般的に、生活費の3〜6ヶ月分の貯金があれば安心です。月の生活費が20万円なら60〜120万円が目安です。ただし、失業保険(基本手当)の受給を予定している場合や、すぐに再就職する見込みがある場合はもう少し少なくても対応可能です。
退職後の生活費を減らすにはどうすればいいですか?
まずは固定費の見直しが効果的です。携帯電話を格安SIMに変更(月3,000〜5,000円削減)、不要なサブスクリプションの解約、保険の見直し、家賃の安い物件への引っ越しなどが考えられます。食費は自炊を増やすことで大幅に節約できます。
退職後にもらえるお金にはどんなものがありますか?
失業保険(基本手当)、再就職手当、退職金のほか、国民健康保険料の減免、住民税の減免、国民年金の免除制度などが利用できる場合があります。また、職業訓練を受講すれば訓練期間中も失業保険が延長されます。
