「もう会社に行きたくない」「辞めたいけど言えない」「退職代行って使って大丈夫?」

——この記事は、そんなあなたのために、退職代行サービスの運営者が業界の裏側をすべて明かした完全ガイドです。

最初にお伝えしたいことがあります。退職代行は、本来いらないサービスです。退職届を1枚書いて会社に出す。法律上、たったそれだけで退職は成立します。上司の許可も、社長の承認も、人事部の「受理」も必要ありません。

にもかかわらず、毎月数千件の退職代行依頼が発生しています。パワハラで精神的に追い詰められている人。「辞めたら損害賠償だ」と脅される人。何度言っても退職届を受け取ってもらえない人。「頭ではわかっていても、体が動かない」——そんな状況に追い込まれた人たちです。

この記事では、自分で退職届を出す具体的な方法から、退職代行10社の実名比較弁護士に頼むべきケース使者と代理の法的な違い東京弁護士会の声明まで、25,000文字超で徹底解説します。読み終えるころには、退職に関する知識で誰にも負けなくなっているはずです。

退職代行業者が教えない10の真実

第1章: そもそも退職代行はいらない

退職代行サービスを運営する立場で、こんなことを言うのは矛盾しているように聞こえるかもしれません。しかし、事実は事実として伝えなければなりません。

退職は、法律上の「権利」です。あなたが退職届を会社に出すだけで、退職は成立します。これは民法627条で明確に定められています。

民法627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

つまり、正社員として働いているあなたは、退職届を提出してから2週間が経過すれば、法律上自動的に退職が成立します。この条文には「会社が承諾した場合に限り」という但し書きはありません。会社の承諾は一切不要なのです。

上司が怒ろうが、部長が泣こうが、社長が「受理しない」と言い張ろうが、法律的にはまったく関係ありません。退職届が会社に届いた時点で、2週間後の退職は確定します。これは民法97条の「到達主義」と呼ばれる原則です。届を受け取ったかどうかではなく、届いたかどうかで効力が生じます。

では、なぜ多くの人が退職代行にお金を払うのか。

答えはシンプルです。法律上の権利を行使することと、実際にそれができることは、まったく別の話だからです。

パワハラが常態化している職場で、目の前の上司に「辞めます」と言えますか? 「辞めるなら損害賠償を請求する」と脅されている状況で、退職届を出す勇気がありますか? うつ状態で布団から出られないのに、会社に連絡できますか?

退職代行は、こうした「頭ではわかっているのに体が動かない人」のためのサービスです。法律の知識が足りないから利用するのではありません。知識はあっても行動できない状態にあるから利用するのです。

しかし、この記事をここまで読んでいるあなたには、まず自分で退職する方法を知ってほしい。実際、退職エクスプレスに相談される方の中にも、「やり方がわからなかっただけで、教えてもらえたら自分でできた」という方が少なからずいらっしゃいます。

退職届1枚で済む話に、9,800円や12,800円を払う必要はありません。以下の章で自分で退職する手順を具体的に解説しますので、まずはそちらを試してみてください。それでもどうしても動けない場合の選択肢として、退職代行の仕組みと使い方を後半の章でお伝えします。

詳しくは「退職は労働者の権利」である法的根拠の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

第2章: 自分で退職する完全手順——退職届の書き方から引き止め対処まで

退職を決意したら、やるべきことは意外とシンプルです。以下の6ステップに沿って進めれば、誰でも自分で退職できます。一つずつ具体的に見ていきましょう。

Step 1: 退職届の書き方

退職届には法律で定められた書式はありません。「退職します」という意思が伝わればどのような形式でも有効です。とはいえ、一般的に使われるフォーマットがありますので、テンプレートを示します。

退職届テンプレート(縦書き・手書き用)

退職届

このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたしたく、ここにお届けいたします。

令和○年○月○日
○○部○○課 氏名 ○○ ○○ 印

株式会社○○○○
代表取締役 ○○ ○○ 殿

退職届テンプレート(横書き・PC作成用)

令和○年○月○日

株式会社○○○○
代表取締役 ○○ ○○ 殿

○○部○○課
氏名 ○○ ○○

退職届

このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。

手書きかPCか:どちらでも法的に有効です。手書きの場合は黒のボールペンで記入します。PCで作成する場合も氏名だけは自筆が望ましいとされますが、全てPC作成でも法的な問題はありません。

退職日の設定:退職届の提出日から最短2週間後の日付を記入します。有給休暇が残っている場合は、残日数を考慮して退職日を設定するとよいでしょう。有給休暇を消化してから退職したい場合は、退職届に「残りの有給休暇を退職日まで消化させていただきます」と付記しておくと明確です。

退職届のさらに詳しい書き方やダウンロード可能なテンプレートについては、退職届テンプレート集|手書き・PC別の書き方と注意点の記事をご覧ください。

Step 2: 退職届と退職願の違いを理解する

ここで非常に重要なポイントがあります。「退職届」と「退職願」は、法的にまったく異なる文書です。

退職届 退職願
法的性質 一方的な意思表示(形成権の行使) 合意退職の申込み
会社の承諾 不要 必要
撤回 到達後は原則撤回不可 会社が承諾するまで撤回可能
効力発生 到達から2週間後に退職成立 会社が承諾した時点で退職成立

確実に退職したい場合は、必ず「退職届」を提出してください。「退職願」は文字通り「お願い」ですので、会社が「認めません」と言えば退職できません。一方、「退職届」は一方的な意思表示ですから、会社が何を言おうと2週間後に退職が成立します。

注意:会社の就業規則に「退職は1ヶ月前に申し出ること」と書かれていても、法律(民法627条)が優先されます。就業規則は会社内のルールに過ぎず、法律を上回ることはできません。詳しくは就業規則と法律、どちらが優先?退職時のルールを解説をご覧ください。

Step 3: 提出先と提出方法を選ぶ

退職届の提出先は、一般的には直属の上司です。ただし、上司が受け取らない場合や、上司自身がハラスメントの加害者である場合は、人事部や代表取締役宛てに直接提出しても構いません。

提出方法は3つあります。いずれも法的に有効です。

  1. 手渡し:最も一般的な方法。上司に直接手渡しする。コピーを1部取っておくこと
  2. 郵送:普通郵便でも法的に有効。特定記録郵便なら配達記録が残る。封筒の表に「退職届在中」と明記
  3. メール:退職届をPDFにしてメールに添付する方法。送信履歴が証拠になる

郵送で提出する場合の具体的な手順は、退職届を郵送で提出する方法|書留・特定記録・普通郵便の違いで詳しく解説しています。

Step 4: 上司への伝え方——具体的なセリフ集

手渡しで退職届を出す場合、何と言って切り出せばいいのか。多くの方がここで躊躇します。以下の流れを参考にしてください。

退職の切り出し方:基本の流れ

アポイント:「○○部長、お忙しいところ恐れ入ります。少しお時間をいただけないでしょうか。個別にお話ししたいことがございます。」

本題:「突然のお話で恐縮ですが、退職届を提出させていただきます。○月○日付での退職を希望しております。」

退職届を手渡す:「こちらが退職届です。ご確認をお願いいたします。」

理由を聞かれたら:「一身上の都合です。」(具体的な理由を言う義務はありません)

ポイントは「相談」ではなく「報告」のトーンで伝えることです。「退職したいのですが…」という相談口調ではなく、「退職届を提出いたします」という意思表示として伝えます。相談にすると「もう少し考えてみたら」と引き止めの余地を与えてしまいます。

退職を切り出すのが苦手な方のために、より詳しいセリフ集を退職を切り出すセリフ集|場面別の伝え方テンプレートにまとめていますので、参考にしてください。

Step 5: 引き止めへの対処法

退職届を出すと、多くの場合、引き止めに遭います。上司や人事から様々な言葉が投げかけられますが、いずれに対しても対応方法は同じです。

上司の引き止めフレーズ あなたの対応
「給料を上げるから残ってくれ」 「お気持ちはありがたいのですが、退職の意思は変わりません。」
「他の部署に異動させる」 「ご配慮ありがとうございます。しかし退職の決意は固いです。」
「今辞められると困る」 「ご迷惑をおかけして申し訳ありません。引き継ぎはしっかり行います。」
「後任が見つかるまで待ってくれ」 「人員の補充は会社の責任であり、私が退職を延期する理由にはなりません。」
「辞めたら損害賠償を請求する」 「退職は法律で認められた権利です。損害賠償の請求に法的根拠はないと考えます。」
「退職届は受け取れない」 「受理の有無にかかわらず、退職届は到達した時点で効力を生じます。」

重要なのは、いかなる引き止めに対しても感情的にならず、退職の意思を淡々と繰り返すことです。議論に応じる必要はありません。すでに退職届を提出しているのですから、法律上の手続きは完了しています。

引き止めの具体的なパターンと対処法について、さらに詳しくは退職の引き止めを断る方法|上司の常套句と切り返しテンプレートをお読みください。また、損害賠償で脅された場合の法的な対処法は「辞めたら損害賠償」は本当?退職時に脅された場合の対処法で解説しています。

Step 6: 退職届提出後の2週間の過ごし方

退職届を提出してから退職日までの2週間は、以下のことを進めてください。

なお、有給休暇が残っている場合、退職届の提出後に有給を申請することは法律上問題ありません。会社は原則として有給の申請を拒否できません(労働基準法39条の時季変更権は退職日が確定している場合には行使できないとされています)。有給休暇の権利については退職時の有給休暇消化|法律上の権利と会社に拒否された場合の対処法で詳しく解説しています。

引き継ぎの具体的なやり方については、退職時の引き継ぎマニュアル|後任者がいない場合の対処法も解説をご覧ください。返却物についても退職時に会社に返すもの一覧|返却忘れのリスクと対処法でリストアップしています。

セルフ退職チェックリスト:ここまでのステップをチェックリストにまとめた記事を用意しています。印刷してひとつずつチェックしながら進められますので、退職手続きセルフチェックリスト|自分で辞める人のための完全版もぜひ活用してください。

第3章: 退職届の「送達」を確実にする方法——届いたことの証拠を残す

退職届を出す際に最も重要なのは、会社に「届いた」ことの証拠を残すことです。なぜなら、退職届の効力は「届いた時点」で発生するからです。これを法律用語で「到達主義」と呼びます。

民法97条の「到達主義」とは

民法97条1項は「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。」と定めています。ここでいう「到達」とは、相手方がその意思表示を了知できる状態に置かれたことを意味します。

重要なのは、相手方が実際に「読んだ」ことは必要ないという点です。会社のポストに退職届が届いた、会社のメールサーバーに退職届のメールが到達した——この時点で「到達」したと評価されます。会社が「読んでいない」「見ていない」と言っても法的に意味はありません。

民法97条について詳しくは民法97条の「到達主義」とは|退職届が届いた時点で効力発生をご覧ください。

退職届が「届いた」ことの証拠を残す3つの方法

退職届を確実に届ける方法は主に3つあります。それぞれの特徴を理解して、状況に合った方法を選びましょう。

方法1: メール(PDF添付)——送信履歴が証拠になる

退職届をPDFにしてメールに添付する方法です。送信日時がメールサーバーに記録されるため、「いつ届いたか」の証拠が残ります。

メールでの退職届提出は法的に有効です。最高裁判例でも、電子メールによる意思表示は書面による意思表示と同等の効力を持つとされています。ただし、会社のメールアドレスを退職後にアクセスできなくなる可能性があるため、送信記録は個人のメールアドレスからも送信するか、スクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。

方法2: 特定記録郵便——配達記録が残る

郵便局の「特定記録郵便」を利用すると、配達した事実が記録として残ります。料金は通常の郵便料金+160円程度で、コストパフォーマンスに優れた方法です。

特定記録郵便は「配達した」記録は残りますが、「何を送ったか」の記録は残りません。そのため、退職届のコピーを手元に保管し、封筒に入れる前に退職届の写真を撮影しておくとより確実です。

方法3: 内容証明郵便——最も確実だが費用がかかる

内容証明郵便は「いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を送ったか」を日本郵便が証明してくれるサービスです。退職届の内容そのものが公的に記録されるため、最も証拠力が高い方法です。

ただし、費用は基本料金+一般書留料金+内容証明料金で、合計1,200円〜1,500円程度かかります。通常の退職ではここまでする必要はないでしょう。会社と深刻なトラブルが予想される場合(退職届を何度も破られた、受け取りを拒否された、など)に検討する方法です。

退職エクスプレスの送達方法:退職エクスプレスでは内容証明郵便は使用していません。メール(PDF添付)・電話通知・普通郵送の3手段を組み合わせて送達の証拠を複数残す方式を採用しています。3つの手段で同時に届けることで、「届いていない」という言い逃れを防ぎつつ、コストを最小限に抑えています。

「退職届を受け取らない」と言われた場合の法的対処

「退職届を受理しない」「受け取らない」と言われるケースがありますが、法律上、退職届に「受理」は必要ありません。前述の通り、退職届は「到達」した時点で効力を生じます。

具体的な状況別の対処法を見ていきましょう。

ケース1: 手渡ししようとしたら受け取りを拒否された

上司の机の上に置いてその場を離れれば「到達」したと評価される可能性があります。ただし、確実を期すなら、その後メールで同じ退職届をPDF添付して送信してください。「先ほど手渡しでお渡しした退職届を、念のためメールでもお送りします」と記載すれば十分です。

ケース2: 退職届を目の前で破られた

退職届を破る行為は、退職の意思表示が届いた後の出来事です。到達後に原本が破棄されても、意思表示の効力には影響しません。ただし、証拠を確保するため、破られた後にすぐメールか郵送で同じ内容の退職届を再度送付してください。

ケース3: 郵送したが「届いていない」と言われた

特定記録郵便や書留で送っていれば、配達記録で反論できます。普通郵便で送った場合は証拠が残らないため、メールでも同内容の退職届を送付しておくのが安全です。

退職届の受け取り拒否に対するさらに詳しい対処法は、上司が退職届を受け取らない場合の対処法|法的に有効な提出方法で解説しています。

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第4章: 退職後に届かない書類を自力で取得する方法

退職が成立した後、会社から届くべき書類が届かないというトラブルは珍しくありません。特に退職代行を使った場合や、円満退職でなかった場合に起こりがちです。

しかし、安心してください。退職後の書類はすべて、会社を通さずに公的機関経由で取得する方法があります。

退職後に届くべき書類一覧と取得方法

書類 届くべき期限 届かない場合の対処 相談先
離職票 退職日から10日〜2週間 ハローワークに「確認請求」 最寄りのハローワーク
源泉徴収票 退職日から1ヶ月以内 税務署に「不交付の届出」 所轄の税務署
退職証明書 請求後遅滞なく 労基署に相談 所轄の労働基準監督署
雇用保険被保険者証 退職時に返却 ハローワークで再発行 最寄りのハローワーク
年金手帳/基礎年金番号通知書 退職時に返却 年金事務所で再発行 最寄りの年金事務所

離職票が届かない場合の対処法

離職票は失業保険(雇用保険の基本手当)を受給するために必要な書類です。会社は退職者が雇用保険の被保険者でなくなったことをハローワークに届け出る義務があり(雇用保険法7条)、この届出に基づいてハローワークが離職票を発行します。

離職票が届かない場合、以下の手順で対処してください。

  1. 退職から2週間経っても届かない場合、まず会社に電話またはメールで催促する
  2. 催促しても対応がない場合、最寄りのハローワークに「雇用保険被保険者離職票の交付に関する確認請求」を行う
  3. ハローワークが会社に対して離職票の提出を行政指導する
  4. それでも会社が対応しない場合、ハローワークが職権で離職票に相当する書類を発行してくれることがある

なお、転職先が既に決まっており、失業保険を受給する予定がない場合は、離職票がなくても特段の問題は生じません。

源泉徴収票が届かない場合の対処法

源泉徴収票は年末調整や確定申告に必要な書類です。会社は退職日から1ヶ月以内に源泉徴収票を交付する義務があります(所得税法226条)。

届かない場合は、所轄の税務署に「源泉徴収票不交付の届出」を提出してください。届出書は国税庁のWebサイトからダウンロードできます。税務署が会社に対して源泉徴収票の交付を指導し、従わない場合は税務署が直接対応してくれます。

退職証明書が届かない場合の対処法

退職証明書は、転職先から提出を求められることがある書類です。労働基準法22条1項に基づき、労働者が請求した場合、会社は「遅滞なく」交付しなければなりません。

退職証明書を請求しても交付されない場合は、所轄の労働基準監督署に相談してください。労基法22条違反として、会社に対して是正指導を行ってもらえます。退職証明書には、使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由のうち、労働者が請求した項目のみが記載されます。

雇用保険被保険者証の再発行

雇用保険被保険者証は、転職先での雇用保険加入手続きに必要です。紛失した場合や会社から返却されない場合は、最寄りのハローワークで再発行できます。本人確認書類を持参すれば、即日発行してもらえます。

年金手帳・基礎年金番号通知書の再発行

年金手帳は2022年4月以降に資格取得した方には発行されなくなりました(基礎年金番号通知書に置き換え)。いずれも紛失した場合は最寄りの年金事務所で再発行可能です。

退職後の書類トラブルについてより詳しく知りたい方は、退職後に会社が書類を出してくれない時の対処法をご覧ください。各書類の取得手続きや相談先をさらに具体的に解説しています。

私物が返してもらえない場合:退職後に会社に残した私物を返してもらえないケースもあります。私物は所有権が本人にありますので、書面で返却を請求できます。詳しくは退職後の私物回収|会社に残した荷物を取り戻す方法をご覧ください。

第5章: 退職代行とは何か——サービスの起源と変遷

ここまで読んで、「なんだ、自分で退職届を出せばいいだけか」と思った方も多いでしょう。その通りです。しかし、世の中にはそれができない人がいる。だから退職代行というサービスが生まれました。ここからは、退職代行の歴史と仕組みを正確に解説します。

退職代行の起源:弁護士サービスからの派生

退職代行サービスが世間に認知され始めたのは2017年頃のことです。もともとは弁護士が「退職の意思表示を代わりに行う」という業務を行っていたのが始まりです。弁護士が行う場合は正式な「代理」行為であり、退職届の送付だけでなく、退職条件の交渉(退職日、退職金、未払い賃金の請求など)も含めて対応できるサービスでした。

しかし、弁護士による退職代行は5万円〜10万円が相場であり、「ただ退職届を出してほしいだけ」の人にとっては高額でした。この市場のギャップに目をつけた民間事業者が、「退職届の送付と電話通知」に機能を限定することで、1万円〜3万円程度の低価格で退職代行サービスの提供を始めました。

民間退職代行業者の急増(2018年〜2019年)

2018年から2019年にかけて、民間の退職代行業者が急増しました。メディアでの取り上げも増え、「退職代行」という言葉が一気に社会に浸透しました。SNSでは「退職代行を使ってみた」という体験談が拡散され、「会社に行かずに辞められる」というイメージが広まりました。

この時期、一部の業者は「退職届の送付」だけでなく、「退職日の交渉」「有給消化の交渉」「未払い賃金の請求」なども行っていました。しかし、これらは法律上の「交渉」に該当し、弁護士でなければ行うことができない業務です(弁護士法72条)。

労働組合との提携スキーム(2019年〜2020年)

弁護士法72条の規制を回避するため、一部の民間業者は労働組合と提携するスキームを考案しました。利用者を形式的に労働組合の組合員にし、労働組合法上の「団体交渉権」(憲法28条)を根拠に、会社との交渉を行うという仕組みです。

団体交渉権は労働組合に認められた強力な権利であり、会社は正当な理由なく団体交渉を拒否できません(労働組合法7条2号)。この仕組みにより、民間業者が実質的に「交渉」を行いながら、法的には「労働組合の団体交渉」という形式を取ることが可能になりました。

東京弁護士会の声明と業界の転換点

2019年から2020年頃にかけて、東京弁護士会は退職代行サービスに関して注目すべき見解を示しました。その要旨は以下の通りです。

東京弁護士会の見解の要旨:

この声明は業界に大きな影響を与えました。多くの民間業者が「交渉」から撤退し、業務範囲を「退職届の送達と退職意思の伝達」に限定するようになりました。

現在の退職代行の3類型

2026年現在、退職代行サービスは運営主体によって大きく3つに分類されます。

類型 運営主体 対応可能な範囲 料金相場
民間業者 一般企業 退職届の送達、退職意思の伝達のみ 1万〜3万円
労働組合系 労働組合(提携含む) 退職届の送達+団体交渉権に基づく交渉 2万〜3万円
弁護士 弁護士・弁護士法人 すべて対応可能(交渉・訴訟対応含む) 5万〜10万円

どの類型を選ぶべきかは、あなたの状況によって異なります。単に退職届を届けてほしいだけなら民間業者で十分です。退職条件の交渉が必要なら弁護士を検討すべきです。詳しくは後述の第9章で解説します。

退職代行サービスの基本的な仕組みについては退職代行とは?サービス内容・仕組みをゼロから解説で、退職代行の歴史的な経緯については退職代行の歴史|いつから始まった?サービス誕生の経緯と変遷でさらに詳しく解説しています。

第6章: 「使者」と「代理」の違い——民間退職代行の法的な立ち位置

退職代行の法的な仕組みを理解するには、民法上の「代理」と「使者」の違いを知る必要があります。これは退職代行業界で最も重要な法律概念であり、合法と違法の境界線を決定するものです。

「代理」とは何か

民法上の「代理」とは、代理人が本人に代わって意思表示を行い、その効果が直接本人に帰属する制度です(民法99条)。代理人は自分自身の判断で法律行為を行うことができます。

退職に関して言えば、弁護士は正式な代理人として、退職届の提出だけでなく、退職条件の交渉、未払い賃金の請求、損害賠償への対応など、あらゆる法律行為を本人に代わって行うことができます。これは弁護士法3条に基づく正当な業務です。

「使者」とは何か

一方、「使者」は本人がすでに決定した意思表示を、そのまま相手方に伝達する人のことです。使者は自分自身の判断を一切挟みません。本人の意思を「そのまま届ける」のが使者の役割です。

わかりやすく言えば、郵便配達員と同じ立場です。郵便配達員は手紙の内容に関与しませんし、手紙の内容について受取人と交渉することもありません。ただ届けるだけです。

民間の退職代行業者は、法的にはこの「使者」の立場にあります。退職届という「本人がすでに決定した意思表示」を会社に届けるだけであり、退職届の内容について会社と話し合ったり、条件を変更したりすることはできません。

「使者」として許される行為の範囲

使者として許される行為は、「本人の意思をそのまま伝達する」ことに限られます。具体的には以下の行為が該当します。

これらはすべて「本人の意思の伝達」であり、使者の範囲内の行為です。ここに使者自身の判断や裁量は入りません。

「使者」を超えると違法(非弁行為)になる行為

使者の範囲を超えて、相手方と「交渉」を始めた瞬間、それは弁護士法72条に違反する非弁行為となる可能性があります。具体的には以下のような行為です。

使者の範囲を超える行為(非弁行為のリスク):

これらの行為は、いずれも「使者による伝達」ではなく、「法律事件に関する法律事務」(弁護士法72条)に該当します。民間業者がこれらの行為を行った場合、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります(弁護士法77条)。

退職代行の法的根拠や合法性について、さらに詳しくは退職代行は違法?弁護士法72条との関係をわかりやすく解説をご覧ください。

この線引きを理解している業者を選ぶことが重要

退職代行業者を選ぶ際、最も重要なのは「この線引きを正確に理解し、遵守しているかどうか」です。Webサイトに「退職交渉もお任せ」「退職金の交渉もします」と書いてある民間業者は、非弁行為を行っている可能性があります。

退職エクスプレスは、この線引きを明確に理解したうえで、「退職届の作成・送付・電話通知による退職意思の伝達」のみに業務を限定しています。これは法的リスクを回避するためであると同時に、利用者を非弁行為に巻き込まないためでもあります。

退職届の送達だけなら9,800円から

退職エクスプレスは「使者」として退職届を届けるサービス。交渉が必要なケースは弁護士をご案内します。

第7章: 民間の退職代行がやってはいけないこと——弁護士法72条の境界線

第6章で「使者」と「代理」の違いを解説しましたが、ここではさらに具体的に、民間の退職代行業者がやってはいけない行為を一つずつ解説します。退職代行を利用しようとしている方は、この章を読んで、依頼先がこれらの行為をしていないかを確認してください。

弁護士法72条とは

弁護士法72条は、弁護士でない者が「法律事件に関する法律事務」を取り扱うことを禁止しています。この規定の目的は、法律知識のない者が法律事務を行うことによって、依頼者が不利益を被ることを防ぐことにあります。

弁護士法72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。

民間退職代行がやってはいけない6つの行為

1. 退職条件の交渉(退職日・退職金・有給買取)

「退職日を○月○日にしてほしい」「退職金を満額支払ってほしい」「残りの有給を買い取ってほしい」——これらはすべて「交渉」です。交渉は法律事務に該当し、弁護士にしかできません。

民間業者ができるのは、「本人は○月○日の退職を希望しています」と本人の意思を伝達することまでです。会社が「その日は困る」と言った場合に、「では○月○日ではどうか」と代替案を提示することは、もはや「伝達」ではなく「交渉」です。

2. 未払い賃金・残業代の請求

未払い賃金や残業代の請求は、金額の算定、証拠の収集、法的根拠の主張など、高度な法律知識が必要な業務です。これは明らかに「法律事件に関する法律事務」であり、弁護士の専権事項です。

未払い残業代がある場合の対処法は、未払い残業代の請求方法|退職前・退職後にやるべきこと未払い賃金の請求手順|退職後でも請求できる?時効は?で解説しています。

3. 損害賠償への対応

会社から「損害賠償を請求する」と言われた場合の対応は、法律相談・法的対応そのものです。民間業者が「大丈夫ですよ、損害賠償なんて認められませんから」と助言すること自体が、法律相談に該当する可能性があります。

損害賠償の脅しへの正しい対処法は、「辞めたら損害賠償」は本当?退職時に脅された場合の対処法退職と損害賠償の判例|会社が退職者を訴えたケースの結末をご覧ください。

4. ハラスメント被害の示談交渉

パワハラやセクハラの被害について、会社と示談交渉を行うことは弁護士の業務です。被害の認定、損害額の算定、示談書の作成——すべて法律事務に該当します。

ハラスメント被害への法的対処についてはハラスメント被害の法的対処法|証拠の残し方から訴訟までをご覧ください。

5. 競業避止義務の交渉

退職後の競業避止義務(同業他社への転職禁止など)の有効性を争ったり、義務の範囲について交渉したりすることは法律事務です。競業避止義務は労働契約に関する法律問題であり、その有効性の判断には判例の知識が不可欠です。

競業避止義務の有効性については退職後の競業避止義務|転職を制限する誓約書は有効かで解説しています。

6. 解雇撤回の交渉

不当解雇の撤回を求める交渉は、労働審判や訴訟にも発展し得る重要な法律事務です。これは弁護士に依頼すべき典型的なケースです。

不当解雇への対処法については不当解雇の対処法|解雇された場合にすべきことをお読みください。

「うちは全部やります」という業者は危険

上記6つの行為を「うちでまとめて対応します」と謳う民間業者(労働組合・弁護士ではない業者)は、弁護士法72条に違反している可能性が高いと言えます。そのような業者に依頼した場合、以下のリスクがあります。

非弁業者に依頼した場合のリスク:

退職エクスプレスは「退職届の作成・送付・電話通知による退職意思の伝達」のみに業務を限定しています。交渉が必要なケースについては弁護士への依頼をご案内しています。これは法律を遵守するためだけでなく、利用者を法的リスクから守るための方針です。

退職代行の選び方について詳しくは退職代行の選び方|失敗しないための7つのチェックポイントをご覧ください。

第8章: こういう案件は弁護士に頼むべき——退職代行では対応できない5つのケース

退職代行サービスを運営する私たちが正直にお伝えします。以下の5つのケースに該当する方は、退職代行ではなく弁護士に依頼してください。退職代行では対応できませんし、対応すべきでもありません。

ケース1: 未払い残業代が100万円以上ある

未払い残業代の請求は弁護士にしかできない法律事務です。弁護士費用が5万〜10万円かかっても、100万円以上の残業代を回収できれば十分にペイします。

未払い残業代を請求するには、タイムカード、業務メール、PCのログイン記録、手帳のメモなどの証拠が必要です。退職前にこれらの証拠を確保しておくことが重要です。退職後でも請求は可能ですが、証拠の収集が難しくなります。

なお、残業代の請求権には時効があります。2020年4月以降に発生した賃金債権の時効は3年(経過措置により当面3年、将来的には5年)ですので、早めに行動することが重要です。

詳しくは未払い残業代の請求方法|退職前・退職後にやるべきことをご覧ください。

弁護士費用の目安(未払い残業代請求の場合)

着手金:0円〜20万円(着手金無料の事務所も多い)
成功報酬:回収額の20%〜30%
例えば200万円の残業代を回収した場合、着手金0円+成功報酬40万〜60万円=手取り140万〜160万円

ケース2: パワハラ・セクハラで慰謝料を請求したい

ハラスメント被害に対する慰謝料の請求は、損害賠償請求という法律行為そのものです。被害の立証、損害額の算定、請求書の作成、交渉または訴訟——すべて弁護士の専権事項です。

パワハラの慰謝料相場は50万〜300万円、セクハラの慰謝料相場は100万〜500万円(被害の程度による)とされています。弁護士費用を差し引いても、請求する価値があるケースが多いです。

パワハラ被害に苦しんでいる方はパワハラで退職する前に知っておくべきこと|証拠の残し方と請求方法を、セクハラ被害についてはセクハラで退職|被害の証拠を残して慰謝料を請求する方法をご覧ください。

ケース3: 会社から実際に訴状が届いた

会社が本当に訴訟を起こしてきた場合(裁判所から訴状が届いた場合)、応訴は弁護士にしかできません。民間の退職代行業者に相談しても対応不可能です。

なお、実際に退職者に対して損害賠償訴訟を起こすケースは極めて稀です。多くの場合、「訴える」は単なる脅し文句に過ぎません。しかし、実際に訴状が届いた場合は、速やかに弁護士に相談してください。訴状を無視すると欠席判決が出てしまいます。

退職と損害賠償の関係については退職と損害賠償の判例|会社が退職者を訴えたケースの結末で実際の判例をもとに解説しています。

ケース4: 不当解雇で争いたい

会社から一方的に解雇されたが、その解雇に正当な理由がないと考える場合(不当解雇)、解雇の撤回や解雇無効の主張は弁護士に依頼する必要があります。労働審判や訴訟を通じて争うことになります。

労働審判は原則3回以内の期日で結論が出る迅速な手続きであり、弁護士費用も訴訟と比べて抑えられる傾向があります。不当解雇であると認められた場合、解雇無効による復職、またはバックペイ(解雇期間中の賃金)の支払いが命じられることがあります。

不当解雇の対処法は不当解雇の対処法|解雇された場合にすべきこと不当解雇で争うべきケースと争わない方がいいケースをご覧ください。

ケース5: 退職金が大幅に減額された

退職金規程に基づいて受け取れるはずの退職金が大幅に減額された場合、退職金規程の解釈や減額の妥当性について会社と交渉する必要があります。これは法律事務に該当しますので、弁護士に依頼すべきケースです。

退職金は法律上の支払義務がある場合(就業規則や労働契約で定められている場合)、その支払いを拒否することは違法です。退職金の減額には合理的な理由が必要であり、懲戒解雇でもない限り、全額不支給は認められないケースが大半です。

弁護士費用を抑える方法

「弁護士は高い」というイメージがありますが、以下の方法で費用を抑えることができます。

弁護士と退職代行の違い、弁護士費用の詳細については退職代行と弁護士の違い|どちらに頼むべきか判断基準を解説弁護士に退職代行を頼んだ場合の費用|相場と費用を抑える方法退職代行より弁護士に頼むべき5つのケースも参考にしてください。

退職のお悩み、まずはご相談ください

退職エクスプレスならLINE完結・即日対応。パート・アルバイト9,800円、正社員・契約社員12,800円。全額返金保証付き。まずは無料相談で、あなたの状況に合った退職方法をご案内します。弁護士が必要なケースは正直にお伝えします。

第9章: 退職代行の料金・サービス比較——3類型の違いを正確に理解する

退職代行サービスを選ぶ際に最も気になるのが料金と対応範囲でしょう。ここでは、退職代行の3類型を料金・対応範囲・メリット・デメリット・リスクの5つの観点で比較します。

主要退職代行サービス一覧(2026年4月時点)

以下は主要な退職代行サービスの料金と対応範囲を事実のみ列挙したものです。各サービスの良し悪しは利用者の状況によって異なるため、評価は行いません。

サービス名 運営種別 料金(税込) 対応範囲 返金保証
退職エクスプレス 民間業者 パート・バイト 9,800円
正社員・契約社員 12,800円
退職届の作成・送付・電話通知(意思伝達のみ) あり
EXIT 民間業者 20,000円 退職意思の伝達 なし
モームリ 民間業者 22,000円 退職意思の伝達 あり
SARABA(サラバ) 労働組合 24,000円 退職意思の伝達・団体交渉 あり
ガーディアン 労働組合 24,800円 退職意思の伝達・団体交渉 なし
Jobs 労働組合 27,000円 退職意思の伝達・団体交渉 あり
ニコイチ 民間業者 27,000円 退職意思の伝達 あり
辞めるんです 民間業者 27,000円 退職意思の伝達 あり
フォーゲル綜合法律事務所 弁護士 33,000円 退職意思の伝達・交渉・法的対応 なし
弁護士法人みやび 弁護士 55,000円 退職意思の伝達・交渉・法的対応・訴訟 なし

補足:上記の料金・サービス内容は2026年4月時点の公開情報に基づいています。最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。労働組合系の「団体交渉」については、東京弁護士会の声明(後述)で法的なグレーゾーンが指摘されています。

3類型の対応範囲比較

対応内容 民間業者 労働組合系 弁護士
退職届の送達対応可対応可対応可
退職意思の電話伝達対応可対応可対応可
退職日の交渉不可団体交渉として可能対応可
有給消化の交渉不可団体交渉として可能対応可
未払い賃金の請求不可限定的対応可
退職金の交渉不可限定的対応可
損害賠償への対応不可不可対応可
訴訟・労働審判不可不可対応可

民間業者のメリットとリスク

メリット:料金が安い。手続きがシンプル。即日対応が可能。「退職届を届けてほしいだけ」という方には最適。

リスクと注意点:

民間業者に依頼する際の注意点:

労働組合系のメリットとリスク

メリット:団体交渉権を根拠に、有給休暇の消化や退職日の調整について会社と話し合いができる。民間業者より対応範囲が広い。

リスクと注意点:

東京弁護士会の声明で指摘された通り、「形式的に労働組合を介在させているだけで、実質的に民間業者が交渉の主体となっている」場合は、非弁行為に該当する可能性があります。利用者を形式的に組合員にするだけで、実際の交渉を民間業者のスタッフが行っているケースには注意が必要です。

労働組合について詳しくは退職代行の労働組合型と民間型の違い|どちらを選ぶべきかをご覧ください。

弁護士のメリットとデメリット

メリット:すべてのケースに対応可能。法的な問題が絡む場合は弁護士一択。交渉力が強く、会社も弁護士からの連絡には真剣に対応する傾向がある。

デメリット:料金が高い。初回相談の予約から対応まで時間がかかる場合がある。「ただ退職届を出してほしいだけ」の方にはオーバースペック。

「安いから」だけで選んではいけない理由

退職代行の料金は、正当な理由があって差が生じています。安い業者は対応範囲が狭く、高い業者(弁護士)は対応範囲が広い。料金だけで選ぶのではなく、自分の状況に合った類型を選ぶことが重要です。

以下のフローチャートで、あなたに合った退職代行の類型を確認してください。

退職代行の選び方フローチャート:

未払い残業代・損害賠償・ハラスメント慰謝料など金銭的な請求がある → 弁護士

退職日や有給消化について会社と話し合いたい → 労働組合系 or 弁護士

退職届を届けてもらえれば十分 → 民間業者

法的なリスクをゼロにしたい → 弁護士

できるだけ安く、すぐに退職したい → 民間業者

退職エクスプレスの立ち位置

退職エクスプレスは民間業者として、「退職届の送達」に特化したサービスです。メール・電話通知・郵送の3手段で退職届を届け、送達の証拠を複数残します。

料金はパート・アルバイト9,800円、正社員・契約社員12,800円です。LINE完結で即日対応、全額返金保証付き。交渉が必要なケースはお断りし、弁護士への依頼をご案内しています。

「退職届を届けてもらえればいい」「会社に連絡するのがどうしても無理」という方にとって、最もコストパフォーマンスの高い選択肢であると自負しています。

料金の詳細は退職代行の料金相場|費用の内訳と比較退職代行の費用内訳|何にいくらかかるのかもご覧ください。

第10章: 退職後の手続き完全チェックリスト——保険・年金・失業保険・税金

退職が成立した後も、やるべき手続きがいくつかあります。期限があるものも多いので、以下のチェックリストを活用して漏れなく対応してください。

1. 健康保険の切り替え

退職すると、会社の健康保険の資格を失います。退職翌日から保険証は使えなくなりますので、速やかに次の健康保険に加入する必要があります。選択肢は3つです。

選択肢 手続き期限 保険料の目安 メリット
任意継続被保険者 退職日の翌日から20日以内 退職時の保険料の約2倍(ただし上限あり) 退職前と同じ保障内容。扶養家族も継続可能
国民健康保険(国保) 退職日の翌日から14日以内 前年所得に応じて算定(減免制度あり) 任意継続より安くなる場合がある。特に離職理由が会社都合の場合は軽減措置あり
家族の扶養に入る 退職日の翌日から5日以内(扶養者の会社に届出) 0円(扶養者の保険料に追加なし) 保険料の負担なし。ただし年収130万円未満等の条件あり

どの選択肢が有利かは、あなたの状況(前年所得、扶養家族の有無、再就職の予定時期など)によって異なります。健康保険の選び方について詳しくは退職後の健康保険はどれが安い?任意継続・国保・扶養の比較をご覧ください。

2. 年金の切り替え

退職すると厚生年金から脱退するため、国民年金への切り替え手続きが必要です。

退職後すぐに再就職する場合は、転職先の会社で厚生年金に加入するため、国民年金への切り替えは不要です。空白期間がある場合のみ手続きが必要です。年金の手続き詳細は退職後の年金手続き|国民年金への切り替えと免除制度でも解説しています。

3. 失業保険(雇用保険の基本手当)

一定の条件を満たせば、退職後に失業保険を受給できます。正式名称は「雇用保険の基本手当」です。

受給条件

自己都合退職と会社都合退職の違い

項目 自己都合退職 会社都合退職
給付制限期間 2ヶ月(正当な理由なし)/ なし(正当な理由あり) なし
給付日数 90日〜150日 90日〜330日
国保の軽減措置 なし あり(保険料が最大7割軽減)

なお、2020年10月の法改正により、自己都合退職の場合の給付制限期間は「3ヶ月」から「2ヶ月」に短縮されました(5年間に2回まで)。ただし、短期間に繰り返し自己都合退職した場合は3ヶ月となります。

失業保険の計算方法や手続きの詳細は失業保険の受給額を計算する方法|自己都合・会社都合別の給付日数をご覧ください。

4. 住民税

住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職後も支払いが続きます。退職のタイミングによって徴収方法が異なります。

5. 確定申告

年の途中で退職した場合、年末調整を受けていないため、確定申告が必要になるケースがあります。特に以下の場合は確定申告をすることで還付を受けられる可能性が高いです。

6. 退職金の税金

退職金を受け取った場合、退職金には「退職所得控除」という大きな控除が適用されるため、税負担が軽くなります。

退職所得控除の計算方法:

例えば勤続10年の場合、退職所得控除額は400万円。退職金が400万円以下なら税金はゼロです。

退職金の税金の詳細は退職金にかかる税金|退職所得控除の計算方法と確定申告の要否をご覧ください。

退職後の手続きまとめチェックリスト

退職後の手続きを網羅的にまとめた記事として、退職後の保険・年金・税金手続きガイドもぜひ参照してください。また、退職後のお金の不安については退職後の生活費を確保する方法|当面の資金計画と節約術退職前に貯めておくべき金額|生活防衛資金の目安が参考になります。

退職後の手続きも安心サポート

退職届の送達から退職後の手続きガイドまで。LINE相談は無料です。

第11章: それでも一歩が踏み出せないあなたへ

ここまで約25,000文字、退職に関するあらゆる知識をお伝えしてきました。自分で退職届を書く方法も、提出する方法も、届かない書類の取り方も、退職代行の仕組みも、すべて理解していただけたと思います。

しかし、この記事を読んでもなお、動けない人がいることを、私たちは知っています。

「わかっているのに動けない」のはあなたのせいではない

退職を言い出せない心理には、心理学で「学習性無力感」と呼ばれるメカニズムが深く関わっています。長期間にわたって逃げられないストレスにさらされ続けると、人は「何をやっても無駄だ」と学習してしまいます。実際には退職届1枚で辞められるのに、それができないほど心が疲弊している状態です。

これは意志の弱さでも、甘えでもありません。心が正常な防衛反応として、「これ以上傷つくことを避ける」ために動きを止めているのです。

パワハラが日常化している職場、何を言っても否定される環境、退職を言い出すと「裏切り者」と言われる文化——そんな場所にいたら、誰でも動けなくなります。「心理的安全性」がゼロの環境で、自分の意思を主張することは、通常の精神状態の人にとっても難しいことです。ましてや、すでに追い詰められている状態ならなおさらです。

退職を言い出せない心理についてさらに詳しくは退職を言い出せない人の心理と対処法退職とメンタルヘルス|うつ状態で退職を考えている方へをご覧ください。

できない自分を責めないでください

この記事を読んで「なんだ、退職届を出すだけじゃないか」と思ったのに、それでも動けない自分を責めているかもしれません。

責めなくていいです。

退職届1枚出すだけの話なのに、それができないほど追い詰められているということは、あなたの職場環境が異常なのです。あなたが異常なのではありません。異常な環境に長期間いると、自分が異常なのだと錯覚してしまう——これも学習性無力感の一つの症状です。

退職の決断に迷っている方は、「辞めるべきか、続けるべきか」を判断する基準退職を決意するサイン|こんな状態なら辞めていいも参考にしてみてください。

退職代行という選択肢

退職エクスプレスは、「まず自分でやってみてください」と伝えるサービスです。この記事も、まさにその想いで書きました。自分でできるなら、お金を払う必要はありません。

でも、どうしても動けないなら、頼ってください。

パート・アルバイトの方は9,800円、正社員・契約社員の方は12,800円で、退職届の作成から送付、電話での退職意思の通知まで、まるごと代行します。LINEで相談するだけで、あとのことは全て対応します。

退職エクスプレスができるのは「退職届を届ける」ことだけです。交渉はしません。弁護士が必要なケースは、正直にそうお伝えします。でも、多くの場合、退職届を届けるだけで十分です。退職届が届けば、2週間後にはあなたは法律上自由の身です。

今この瞬間、朝起きるのがつらくて仕方がない人。日曜の夜が恐ろしい人。会社のことを考えると涙が止まらない人。退職を言い出したら何をされるかわからないと怯えている人。

あなたが今いる場所が全てではありません。退職届1枚で、あなたの人生は変わります。自分で出すか、誰かに届けてもらうかの違いだけです。

まずはLINEで相談してみてください。相談は無料です。「まだ決めていないけど話だけ聞きたい」でも構いません。あなたの状況を伺った上で、自分で退職する方法をお伝えすることもあります。退職代行が不要な方に無理にサービスを勧めることは、一切ありません。

日曜日の夜が怖い方は「日曜日の夜が怖い」を終わらせる方法を、月曜の朝がつらい方は月曜日の朝が来るのが怖い|出社前の絶望を解消する方法を、朝起き上がれない方は「朝起きられない、会社に行けない」それは心のSOSですもぜひ読んでみてください。

退職エクスプレスのサービス概要

まずはLINEで無料相談から。

退職エクスプレス編集部

この記事を書いた人

退職エクスプレス編集部|退職代行サービスに関する正確な情報を、法的根拠に基づいてお届けします。退職に悩む全ての方が、安心して次の一歩を踏み出せるようサポートします。

本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、法律相談ではありません。個別の事案については弁護士や各公的機関にご相談ください。退職エクスプレスは退職届の作成・送付・電話通知による退職意思の伝達を代行するサービスであり、会社との交渉は行いません。

よくある質問

退職届を出せば必ず退職できますか?

はい。民法627条により、無期雇用の労働者は退職届が会社に到達してから2週間で退職が成立します。会社の承諾は不要です。届が届いた時点で法的効力が発生します(民法97条・到達主義)。

退職代行を使わずに自分で退職する方法は?

退職届を書いて会社に提出するだけです。手渡し、郵送(普通郵便で可)、メール(PDF添付)のいずれでも法的に有効です。本記事で具体的な書き方と提出方法を解説しています。

退職代行と弁護士の違いは何ですか?

民間の退職代行は「退職届の送達(意思伝達)」のみ可能です。会社との交渉(退職金、未払い残業代、有給買取等)は弁護士法72条により弁護士にしかできません。交渉が必要なケースは弁護士に依頼すべきです。

退職代行の料金相場はいくらですか?

民間業者は1万〜3万円、労働組合系は2万〜3万円、弁護士は5万〜10万円が相場です。退職エクスプレスはパート・アルバイト9,800円、正社員・契約社員12,800円で業界最安値水準です。

退職後に会社が離職票を出してくれない場合はどうすればいいですか?

ハローワークに相談すれば、会社に対して離職票の提出を指導してもらえます。それでも対応がない場合、ハローワークが職権で離職票を発行することもあります。