「労災で療養中だけど、もうこの会社には戻りたくない」「労災認定の途中で退職したら給付がもらえなくなるのでは?」——労災と退職が重なると、多くの不安が生まれます。
結論から言えば、労災保険の給付は退職後も継続されます。労働者災害補償保険法12条の5により、労災給付を受ける権利は退職によって変更されないことが法律で明記されています。
この記事では、労災認定中に退職代行を使って退職する場合の法的根拠、給付への影響、退職後の手続きについて詳しく解説します。
労災保険の給付は退職後も継続される
最も重要なポイントを最初にお伝えします。
労働者災害補償保険法12条の5:「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」
この条文により、以下のことが明確に保障されています。
- 療養補償給付(治療費):退職後も治療が完了するまで支給される
- 休業補償給付:退職後も就労不能な期間は支給される
- 障害補償給付:退職後に障害等級が認定された場合も支給される
- 傷病補償年金:療養開始から1年6ヶ月後に傷病等級に該当する場合に支給される
つまり、退職したからといって労災の給付が打ち切られることはありません。安心して退職の判断をすることができます。
労災療養中の退職の法的根拠
労働者は自由に退職できる
労働基準法19条は、労災による療養中の「解雇」を制限しています。しかし、これはあくまで会社側からの「解雇」を制限するものであり、労働者自身が退職することは一切制限されていません。
労働基準法19条1項:「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後三十日間(中略)は、解雇してはならない。」
→ これは「解雇」の制限であり、労働者からの「退職」は対象外です。
民法627条による退職の権利
民法627条1項:期間の定めのない雇用では、退職届を提出すれば2週間で退職が成立します。療養中であっても、この権利は変わりません。
民法628条による即日退職の可能性
労災の原因が会社の安全配慮義務違反(劣悪な労働環境、安全対策の不備など)にある場合は、「やむを得ない事由」として民法628条に基づく即日退職も主張できる可能性があります。
労災認定中に退職代行を使う流れ
ステップ1:退職代行に相談
退職エクスプレスにLINEで相談します。労災認定中であることをお伝えください。
ステップ2:退職届の送達
退職届をメール(PDF添付)・電話通知・郵送の3手段で会社に届けます。「本人への直接連絡はお控えください」と明記します。
ステップ3:退職成立
退職届到達から2週間で退職が成立します。この間、療養中であれば出社する必要はありません。
ステップ4:退職後の手続き
退職後も労災保険の給付は継続されます。手続きは管轄の労働基準監督署で行います。
退職後の労災給付の手続き
療養補償給付(治療費)
退職後も労災指定病院で治療を受ける場合は、引き続き「療養補償給付たる療養の給付請求書」を提出します。退職後は事業主の証明欄への記入が不要になる場合があります。
休業補償給付
退職後も就労不能な状態が続いている場合は、休業補償給付を申請できます。ただし、退職後は「平均賃金」の算定が退職時の賃金に基づいて行われます。
注意:休業補償給付の申請には、医師の診断書(就労不能の証明)が必要です。退職後も定期的に通院し、診断書を取得してください。
障害補償給付
治療が終了(症状固定)した後、障害が残った場合は障害補償給付を申請できます。退職後であっても申請可能です。
労災と退職に関する注意点
労災認定が「申請中」の場合
労災認定がまだ確定していない(申請中の)段階で退職しても、労災認定の審査には影響しません。退職した後に労災が認定されれば、遡って給付を受けることができます。
会社が労災を認めてくれない場合
労災の申請は会社を通じて行うのが一般的ですが、会社が協力しない場合でも、労働者自身が直接労働基準監督署に申請することが可能です。退職後でも申請できます。
健康保険との関係
退職後に健康保険の資格を喪失しても、労災保険は健康保険とは別の制度です。労災による治療は引き続き労災保険でカバーされます。労災の治療に健康保険を使う必要はありません。
失業保険との関係
労災で就労不能な場合、失業保険(雇用保険の基本手当)は受給できません。失業保険は「働く意思と能力がある」ことが条件だからです。ただし、回復後に就労可能になれば、その時点から失業保険の受給手続きが可能です。受給期間の延長申請を忘れずに行いましょう。
労災退職での退職代行の活用事例
ケース1:工場での事故で負傷、療養中に退職
状況
Aさん(38歳・正社員)は工場での作業中に機械に手を挟まれて負傷。労災認定を受けて療養中だったが、安全管理が不十分な会社に戻る気持ちはなかった。しかし、療養中に退職を申し出ると労災給付がなくなるのではと心配していた。
退職代行の利用
退職エクスプレスに12,800円で依頼。退職届をメール・電話・郵送で会社に送達。退職後も労災保険の療養補償給付と休業補償給付は継続され、治療に専念できた。
ケース2:パワハラによる精神疾患で労災申請中に退職
状況
Bさん(30歳・正社員)は上司からのパワハラでうつ病を発症。労災申請中だったが、会社に対する恐怖から退職を決意。対面での退職交渉は精神的に不可能だった。
退職代行の利用
退職エクスプレスに12,800円で依頼。退職届を送達し、2週間後に退職が成立。退職後に労災が認定され、療養補償給付と休業補償給付を受給。退職が労災認定に影響することはなかった。
労災療養中の退職もまるごと代行
退職届の作成・送付・電話通知をすべて代行。パート・アルバイト9,800円、正社員・契約社員12,800円。全額返金保証付き。
まとめ|労災給付は退職後も保障される
労災認定中の退職について、重要なポイントをまとめます。
- 労災保険の給付は退職後も継続される(労災保険法12条の5)
- 労災療養中でも労働者からの退職は制限されない
- 退職代行を使って退職届を送達することは法的に問題ない
- 労災認定の審査は退職の有無に影響されない
- 退職後の労災手続きは管轄の労働基準監督署で行う
労災で療養中の方が「辞めたいけど給付がなくなるのが怖い」と我慢し続ける必要はありません。法律は退職後も労災給付を受ける権利を保障しています。
よくある質問
労災認定中に退職しても給付は続きますか?
労災保険の給付は退職後も継続されます。労働者災害補償保険法12条の5は「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない」と明記しています。
労災で療養中に退職代行を使えますか?
使えます。療養中であっても退職の権利は民法627条で保障されています。退職代行を使って退職届を送達することに法的な問題はありません。
労災で休業中に会社から解雇されることはありますか?
労働基準法19条により、労災による療養中とその後30日間は解雇が制限されています。ただし、これは「解雇」の制限であり、労働者自身が退職することは制限されていません。
退職後の労災の手続きはどうなりますか?
退職後も労災保険の給付申請は可能です。療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付など、退職後も引き続き申請・受給できます。手続きは管轄の労働基準監督署で行います。
