「退職代行を使ったら失業保険がもらえなくなるのでは?」——退職後の生活費を考えると、失業保険の受給は非常に重要な問題です。特に次の就職先が決まっていない状態で退職する場合、失業保険は生活の命綱となります。
結論を先にお伝えすると、退職代行を利用しても失業保険は問題なく受給できます。この記事では、失業保険の受給条件から具体的な手続き、給付額の目安、給付制限を回避する方法まで詳しく解説します。
退職代行を使っても失業保険は受給できる
失業保険(正式名称:雇用保険の基本手当)の受給は、退職届の提出方法とは無関係です。退職代行を利用しても、自分で退職届を提出しても、失業保険の受給条件には一切影響しません。
失業保険の受給に必要なのは「離職票」と「ハローワークでの求職申込み」です。退職代行を利用した場合も、会社は離職票を発行する義務があります(雇用保険法第76条)。
ポイント:離職票に「退職代行を利用した」という記載はされません。離職理由は「自己都合退職」と記載され、退職方法に関する情報は記録されません。
失業保険の受給条件
失業保険を受給するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
基本的な受給要件
- 離職前2年間に、被保険者期間が通算12か月以上あること(会社都合退職・特定理由離職者は6か月以上)
- 就職する意思と能力があること
- 積極的に求職活動を行っていること
- ハローワークに求職の申込みを行っていること
被保険者期間の計算方法
被保険者期間は、離職日から遡って1か月ごとに区切り、各期間に11日以上の賃金支払基礎日数がある月を1か月として数えます。複数の会社の被保険者期間を通算することも可能です(ただし、前の会社の離職後1年以内に再就職している場合)。
自己都合退職の場合の給付制限
退職代行を利用した場合、退職理由は通常「自己都合退職」となります。自己都合退職の場合は給付制限期間が設けられています。
給付制限のスケジュール
自己都合退職の場合、失業保険の受給開始までの流れは以下のとおりです。
- 離職票をハローワークに提出:退職後すみやかに提出
- 7日間の待期期間:すべての離職者に適用される期間
- 2か月の給付制限期間:自己都合退職の場合に適用(5年間で3回目以降は3か月)
- 受給開始:待期期間+給付制限期間の終了後に最初の支給
注意:2020年10月の法改正により、自己都合退職の給付制限期間は「3か月」から「2か月」に短縮されました(正当な理由なく5年間で2回まで)。3回目以降の離職では3か月の給付制限が適用されます。
給付制限を回避できるケース
自己都合退職であっても、以下のケースに該当する場合は「特定理由離職者」として認められ、給付制限なしで失業保険を受給できる可能性があります。
特定理由離職者に該当するケース
- 心身の障害・疾病:うつ病・適応障害などの精神疾患や、身体的な疾病により就労が困難になった場合
- 妊娠・出産・育児:妊娠・出産・育児により退職せざるを得なかった場合
- 家族の介護:家族の看護・介護のために退職した場合
- 配偶者の転勤:配偶者の転勤に伴い通勤が困難になった場合
- 契約期間満了:有期労働契約が更新されなかった場合
特定受給資格者に該当するケース
会社都合退職に近い理由で退職した場合は「特定受給資格者」として、給付制限なし・被保険者期間6か月以上で受給できます。
- パワハラ・セクハラが原因の退職
- 賃金の未払い(3分の1以上)が続いた場合
- 大幅な残業(月45時間超が3か月連続など)
- 労働条件が契約内容と大きく異なった場合
ポイント:パワハラや長時間労働が原因で退職代行を利用する場合、証拠を残しておけば「特定受給資格者」として認定される可能性があります。LINEのスクリーンショット、勤怠記録、メールの記録などを退職前に保存しておきましょう。
失業保険の給付額と給付日数
失業保険の給付額は、退職前の給与と年齢によって決まります。
基本手当日額の計算
離職前6か月の賃金総額を180で割った金額(賃金日額)に、給付率(約50〜80%)を掛けた金額が1日あたりの支給額(基本手当日額)です。賃金が低い方ほど給付率が高くなります。
給付日数の目安
自己都合退職の場合の給付日数は以下のとおりです。
- 被保険者期間10年未満:90日
- 被保険者期間10年以上20年未満:120日
- 被保険者期間20年以上:150日
特定受給資格者・特定理由離職者の場合は、年齢と被保険者期間に応じて最大330日まで延長されます。
失業保険の申請手続きの流れ
退職後の失業保険の申請手続きは以下の流れで進めます。
必要書類を準備する
- 離職票-1および離職票-2(会社から届く)
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人確認書類(運転免許証等)
- 印鑑
- 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
- 本人名義の普通預金通帳またはキャッシュカード
ハローワークで求職申込みを行う
住所地を管轄するハローワークに行き、求職の申込みと離職票の提出を行います。この日が「受給資格決定日」となり、ここから待期期間7日間がスタートします。
雇用保険受給者初回説明会に参加する
受給資格決定後、指定された日にハローワークで開催される説明会に参加します。ここで雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を受け取ります。
4週間ごとの失業認定を受ける
4週間に1回、ハローワークに出向いて失業の認定を受けます。その間に原則2回以上の求職活動実績が必要です。認定を受けた後、基本手当が口座に振り込まれます。
注意:離職票が届かない場合は、退職から2週間以上経過した時点でハローワークに相談してください。ハローワークから会社に離職票の発行を指導してもらえます。退職代行を利用した場合も、離職票の発行は会社の法的義務です。
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よくある質問
退職代行を使うと失業保険がもらえなくなりますか?
いいえ、退職代行を利用しても失業保険の受給には影響しません。失業保険の受給要件は「離職前2年間に被保険者期間が12か月以上あること」と「就職する意思・能力があること」です。退職届の提出方法は関係ありません。
自己都合退職の場合、失業保険はいつからもらえますか?
自己都合退職の場合、ハローワークに離職票を提出してから7日間の待期期間+2か月の給付制限期間が経過した後に支給が開始されます。ただし、特定理由離職者に該当する場合は給付制限なしで受給できます。
退職代行を使った場合、離職票はもらえますか?
退職届が受理されると、会社はハローワークに離職証明書を提出する義務があります。退職代行を利用した場合も同様に離職票は発行されます。届かない場合はハローワークに相談すれば、会社に発行を指導してもらえます。
失業保険の受給中にアルバイトはできますか?
条件付きでアルバイトは可能です。1日4時間以上のアルバイトをした日は「就労日」として基本手当が支給されません。4時間未満の場合は収入額に応じて減額される場合があります。必ずハローワークに申告してください。
