「退職代行で当日退職したいけど、損害賠償を請求されたらどうしよう」「懲戒解雇になるのでは?」——当日退職を考えている方にとって、リスクへの不安は大きな障壁です。
この記事では、退職代行で当日退職する場合に考えられるリスクを洗い出し、それぞれの法的根拠と具体的な対策を解説します。結論を先に言えば、適切な手順を踏めば当日退職のリスクは最小限に抑えられます。
当日退職で考えられる4つのリスク
退職代行で当日退職する場合に考えられるリスクは、大きく分けて以下の4つです。
- 損害賠償請求のリスク
- 懲戒解雇のリスク
- 引き継ぎ不足によるトラブル
- 会社からの執拗な連絡
以下、それぞれのリスクについて、法的な観点と実務的な対策を詳しく解説します。
リスク1:損害賠償請求|実際に請求される可能性は?
当日退職に対する最大の不安が「損害賠償」でしょう。しかし、実務上このリスクは非常に低いです。
損害賠償が認められる条件
退職を理由に損害賠償が認められるためには、以下の全てを会社側が立証する必要があります。
- 退職によって会社に具体的な損害が発生したこと
- その損害が退職と直接的な因果関係にあること
- 労働者に故意または重大な過失があったこと
- 損害額を具体的に算定できること
これらの条件を全て満たすのは極めて困難です。「退職したから売上が減った」「代わりの人を雇うコストがかかった」程度の主張では、損害賠償は認められません。
裁判例から見る実態
退職を理由とした損害賠償請求が認められた裁判例はほとんどありません。仮に認められたとしても、金額は限定的です。裁判所は、退職の自由(憲法22条・民法627条)を重視しており、退職を理由とした損害賠償には慎重な姿勢を取っています。
結論:退職を理由に損害賠償を請求すると脅す会社はありますが、実際に訴訟まで至るケースは極めてまれです。仮に訴訟になっても、認められる可能性は低いです。「損害賠償するぞ」という脅しに屈する必要はありません。
損害賠償リスクを最小化する対策
リスクが低いとはいえ、以下の対策を取ることでさらにリスクを最小化できます。
- 退職届を正式に提出する:口頭だけでなく、書面で退職の意思を明確にする
- 引き継ぎメモを残す:可能な範囲で業務の引き継ぎ事項をメモにまとめる
- 会社の財産を持ち出さない:貸与物(パソコン、書類など)は必ず返却する
- 退職代行を利用する:正式な手続きを経た退職であることを記録に残す
リスク2:懲戒解雇|退職届を出したのに解雇される?
「当日退職したら懲戒解雇にされるのでは?」という不安もよく聞きますが、これも実務上は起こりにくいです。
退職届の提出と懲戒解雇の関係
退職届を提出した労働者に対して懲戒解雇を行うことは、法的に以下の問題があります。
- 退職届が先に到達していれば退職が優先される:退職届が会社に到達した時点で退職の意思表示は成立しており、その後に懲戒解雇の手続きを開始しても、退職が先に成立する場合があります
- 懲戒解雇には厳格な要件がある:懲戒解雇は就業規則に定められた懲戒事由に該当する必要があり、「退職代行を使った」「当日退職した」だけでは懲戒事由に該当しないのが通常です
- 手続き的な要件:懲戒解雇には事前の弁明の機会の付与などが必要であり、即座に懲戒解雇を行うことは手続き的にも困難です
懲戒解雇されたらどうする?
万が一、会社が懲戒解雇を主張した場合の対応方法です。
懲戒解雇を主張された場合:まず、懲戒解雇の通知書を受け取り、懲戒事由を確認してください。「退職代行を使った」「当日退職した」だけが懲戒事由であれば、不当解雇として争える可能性が高いです。労働基準監督署への相談や、弁護士への相談をおすすめします。
自己都合退職と懲戒解雇の違い
自己都合退職と懲戒解雇では、退職後の影響が大きく異なります。
- 退職金:懲戒解雇では退職金が不支給になる場合がある
- 失業保険:懲戒解雇は重責解雇として給付制限が3か月になる
- 転職への影響:懲戒解雇の事実は転職先に知られる可能性がある
だからこそ、退職届を正式に提出し、自己都合退職として処理されるようにすることが重要です。退職代行を通じて適切に手続きを行えば、自己都合退職として処理されるのが通常です。
リスク3:引き継ぎ不足によるトラブル
当日退職の場合、十分な引き継ぎができないことが懸念されます。引き継ぎに関する法的な位置づけと対策を解説します。
引き継ぎは法律上の義務か?
結論として、引き継ぎは法律上の義務ではありません。就業規則に「退職時は引き継ぎを行うこと」と定められている場合でも、それは努力義務にとどまり、引き継ぎをしなかったことだけを理由に損害賠償が認められた裁判例はほとんどありません。
それでも引き継ぎメモは残すべき理由
法的な義務ではないとはいえ、可能な範囲で引き継ぎメモを残すことをおすすめします。
- 万が一の損害賠償請求に対する防御材料になる
- 退職後に会社からの問い合わせが減る
- 元同僚への負担を軽減できる
- 社会人としての最低限の誠意を示せる
引き継ぎメモの書き方
引き継ぎメモは簡潔なもので構いません。以下の項目を箇条書きでまとめるだけで十分です。
・担当している業務の一覧
・進行中の案件の状況
・関係者(取引先・社内の担当者)の連絡先
・業務で使用しているファイルの保存場所
・定期的に発生する業務のスケジュール
このメモを退職届と一緒に郵送するか、退職代行を通じて会社に送付することができます。
リスク4:会社からの執拗な連絡
当日退職後に会社から何度も電話がかかってくる、上司が自宅に来る——こうしたトラブルを心配する方も多いです。
連絡を止める方法
退職届に「本人への直接連絡はお控えください」と記載することで、会社からの連絡を抑制できます。退職エクスプレスでは、全ての退職届にこの文言を標準で記載しています。
それでも連絡が来た場合
退職届で連絡控除を申し入れているにもかかわらず、執拗に連絡してくる会社がまれにあります。その場合の対応は以下の通りです。
- 電話に出ない:出る義務はありません。着信を無視して構いません
- 退職代行に連絡する:退職エクスプレスに連絡いただければ、再度会社に連絡控除を申し入れます
- 着信拒否設定:会社の電話番号を着信拒否に設定しても問題ありません
- 自宅への訪問:居留守を使って構いません。ドアを開ける義務はありません
注意:脅迫的な内容の連絡(「損害賠償するぞ」「懲戒解雇にするぞ」など)が来た場合は、その内容を記録(スクリーンショット等)し、退職エクスプレスにご相談ください。悪質な場合は、労働基準監督署への相談も検討します。
当日退職のリスクを最小化するチェックリスト
ここまで解説した対策をチェックリストにまとめます。全てを完璧に行う必要はありませんが、できる範囲で対応しておくとリスクを最小限に抑えられます。
- 退職届を書面(メール+郵送)で提出する
- 退職届に「本人への直接連絡はお控えください」を記載する
- 可能であれば引き継ぎメモを作成する
- 会社の貸与物(パソコン、社員証、制服など)を返却する準備をする
- 私物が会社にある場合は郵送での返送を依頼する
- 給与明細・雇用契約書のコピーを手元に保管する
- ハラスメントや違法行為の証拠があれば保存する
退職エクスプレスのリスク対策サポート
退職エクスプレスでは、当日退職のリスクを最小化するための対策をまるごとサポートしています。退職届の文面作成から送達、会社からの連絡への対応まで、リスクを考慮した手続きを行います。
退職エクスプレスの料金
パート・アルバイト:9,800円(税込)
正社員・契約社員:12,800円(税込)
追加費用なし・全額返金保証付き。リスク対策を含めた当日退職をまるごとサポートします。
当日退職についてもっと詳しく知りたい方は、退職代行で当日退職は可能?今日辞めたい人のための完全ガイドをご覧ください。リスクだけでなく、当日退職の法的根拠や具体的な手順も網羅的に解説しています。
リスクが不安な方もご相談ください
退職エクスプレスならリスク対策を含めた当日退職をまるごとサポート。まずはLINEで状況をお聞かせください。
よくある質問
退職代行で当日退職したら損害賠償を請求されますか?
実務上、退職を理由に損害賠償が請求されるケースは極めてまれです。仮に請求されても、退職と損害の因果関係を会社側が立証する必要があり、認められる可能性は低いです。退職は労働者の権利であり、権利行使による損害賠償は原則として成立しません。
当日退職で懲戒解雇になる可能性はありますか?
退職届を提出している以上、自己都合退職として処理されるのが通常です。退職の意思表示をした労働者を懲戒解雇にすることは法的に困難であり、仮に懲戒解雇とされても不当解雇として争えます。
引き継ぎなしで当日退職しても問題ありませんか?
引き継ぎは法律上の義務ではなく、就業規則上の努力義務にとどまります。引き継ぎをしなかったことだけを理由に損害賠償が認められた裁判例はほとんどありません。ただし、可能な範囲で引き継ぎメモを残すことをおすすめします。
当日退職後に会社から執拗に連絡が来たらどうすればいいですか?
退職届に「本人への直接連絡はお控えください」と記載しているため、通常は連絡が来ません。万が一連絡が来た場合は応じる義務はなく、退職エクスプレスに連絡いただければ再度会社に連絡控除を申し入れます。
