「会社を辞めてフリーランスになりたい」——テレワークの普及やクラウドソーシングの発展で、フリーランスという働き方は以前より身近になりました。しかし、実際に退職してフリーランスになるには、開業届の提出、保険の切替え、税金の手続きなど、やるべきことが山ほどあります。
この記事では、退職からフリーランスとして独立するまでに必要な全手続きを、時系列で解説します。
退職前にやるべき5つの準備
フリーランスになる前に、会社員のうちにしかできないこと、会社員のうちにやっておいたほうがいいことがあります。
1. クレジットカードの作成
フリーランスは会社員に比べて社会的信用が低いとみなされ、クレジットカードの審査に通りにくくなります。事業用のクレジットカードを含め、必要なカードは退職前に作成しておきましょう。
2. 賃貸住宅の契約・更新
賃貸住宅の審査でも、会社員の信用は有利に働きます。引っ越しの予定がある場合は、退職前に契約を済ませておくのがベストです。
3. 住宅ローン・各種ローンの手続き
住宅ローンや自動車ローンなど、大きな借入が必要な場合は退職前に審査を通しておきましょう。フリーランスになってからでは、3年分の確定申告書がないと審査に通らないケースがほとんどです。
4. 事業資金と生活費の確保
最低限必要な資金の目安:
- 生活費6ヶ月分(月25万円なら150万円)
- 事業開始資金(業種により異なるが30〜100万円)
- 社会保険料の支払い(国民健康保険+国民年金で月5〜8万円程度)
- 予備費(50万円程度)
合計で最低300〜400万円程度の貯蓄があると安心です。
5. 顧客・案件の確保
退職前にある程度の顧客や案件の見込みを立てておくことが、フリーランスとして成功するための最大のポイントです。副業OKの会社であれば、在職中から副業として実績を積んでおくのが理想的です。
退職後の手続きタイムライン
| 時期 | 手続き | 届出先 |
|---|---|---|
| 退職後すぐ | 健康保険の切替え(任意継続 or 国民健康保険) | 健保組合 or 市区町村役場 |
| 退職後14日以内 | 国民年金への切替え | 市区町村役場 |
| 退職後20日以内 | 任意継続被保険者の申請(選択する場合) | 退職前の健保組合 |
| 事業開始から1ヶ月以内 | 開業届の提出 | 所轄の税務署 |
| 事業開始から2ヶ月以内 | 青色申告承認申請書の提出 | 所轄の税務署 |
| 翌年2〜3月 | 確定申告(所得税) | 所轄の税務署 |
開業届の書き方と提出方法
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、税務署に提出する書類です。A4用紙1枚のシンプルな書式で、記入自体は10分程度で終わります。
記入項目
- 納税地(自宅住所 or 事務所住所)
- 氏名・生年月日・マイナンバー
- 職業(「Webデザイナー」「ライター」「コンサルタント」など)
- 屋号(任意。なくてもOK)
- 届出の区分(「開業」を選択)
- 所得の種類(「事業所得」を選択)
- 開業日
e-Taxでオンライン提出も可能:マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)があれば、国税庁のe-Taxシステムからオンラインで開業届を提出できます。税務署に行く必要がありません。
青色申告承認申請書も同時に提出する
開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しましょう。青色申告を選択すると、以下のメリットがあります。
- 青色申告特別控除:最大65万円の所得控除(e-Taxで確定申告した場合)
- 赤字の繰越:事業の赤字を3年間繰り越して、翌年以降の利益と相殺できる
- 家族への給与が経費になる:青色事業専従者給与として、家族に支払った給与を経費にできる
退職の手続きは退職エクスプレスにおまかせ
退職届の作成・送付・電話通知をまるごと代行。パート・アルバイト9,800円、正社員・契約社員12,800円。全額返金保証付き。
健康保険の切替え——3つの選択肢を比較
フリーランスになると、会社の健康保険から外れます。以下の3つの選択肢から、自分に有利なものを選びましょう。
| 選択肢 | 保険料の目安 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 国民健康保険 | 前年の所得に基づく(月2〜6万円程度) | 退職後14日以内に手続きすれば即加入 | 退職直後は前年の会社員時代の所得で計算されるため高くなりがち |
| 任意継続 | 退職前の約2倍(ただし上限あり) | 退職前の保険をそのまま継続。扶養家族がいる場合は有利なことも | 最長2年間のみ。退職後20日以内に手続きが必要 |
| 国民健康保険組合 | 組合により異なる(月2〜4万円程度) | 所得に関係なく定額のことが多い。高所得者に有利 | 加入できる職種が限定される(文芸美術、建設など) |
フリーランスの税金——知っておくべき基礎知識
確定申告の基本
フリーランスは毎年2月16日〜3月15日に確定申告を行う必要があります。年間の売上から経費を差し引いた「事業所得」に対して、所得税・住民税・個人事業税がかかります。
経費にできるもの
- 自宅の家賃(事業使用割合分)
- 通信費(インターネット・電話代の事業使用割合分)
- パソコン・周辺機器(10万円未満は一括経費、10万円以上は減価償却)
- ソフトウェア・サブスクリプション費用
- 交通費・出張費
- 書籍・教材費
- 外注費(業務委託費)
消費税の免税事業者
開業から2年間は原則として消費税の免税事業者です。ただし、インボイス制度(適格請求書等保存方式)への登録を検討する必要があります。取引先が法人中心の場合、インボイス登録をしないと取引を断られる可能性があります。
事例:IT企業を退職してフリーランスエンジニアになったFさん(32歳)
退職前の準備:在職中に副業でクラウドソーシングサイトに登録し、月5〜10万円の案件を受注。クレジットカード2枚を新規作成。生活費8ヶ月分(240万円)を貯蓄。
退職の流れ:退職エクスプレスに12,800円で依頼。退職届を送付し、有給消化後に退職。退職後すぐに開業届と青色申告承認申請書を提出。国民健康保険に加入。
独立後:フリーランスエージェント経由で月単価70万円の案件を獲得。会社員時代の年収500万円から、フリーランス1年目で年収800万円に。
フリーランスへの転身は大きな決断ですが、入念な準備があれば成功の確率は格段に上がります。退職の手続きに不安がある方は、退職エクスプレスにお任せください。退職届の作成・送付・電話通知をまるごと代行し、フリーランスとしての新しいスタートを全面サポートします。
よくある質問
退職後すぐにフリーランスになれますか?
法律上、退職後すぐにフリーランスとして活動を始められます。開業届は事業開始から1ヶ月以内に税務署に提出すれば問題ありません。ただし、事前に十分な準備(資金・顧客・スキル)をしておくことを強くおすすめします。
フリーランスになると失業保険はもらえませんか?
開業届を出すと失業保険は受給できません。ただし、退職後にまず失業保険を申請し、求職活動をしながらフリーランスの準備を進め、準備が整った時点で開業届を出すという方法は可能です。再就職手当の対象になるケースもあります。
退職前にやっておくべきことは何ですか?
クレジットカードの作成、住宅ローンの契約、賃貸住宅の契約など、会社員の信用が必要な手続きは退職前に済ませておきましょう。また、最低6ヶ月分の生活費と事業資金の確保も重要です。
