海外赴任中に「この会社を辞めたい」と思ったとき、日本にいる以上に大きな壁が立ちはだかります。物理的に会社と離れている不安、帰国費用の問題、現地での住居や生活の整理、家族の帯同——考慮すべきことが多すぎて、行動に移せないまま時間だけが過ぎていく方も少なくありません。
この記事では、海外赴任中の駐在員が日本の会社を退職するための具体的な方法と、退職代行の活用法を解説します。
海外赴任中でも退職の権利は変わらない
海外に赴任しているからといって、退職の権利が制限されることはありません。日本の会社との雇用契約に基づく退職であれば、民法627条が適用されます。
民法627条:期間の定めのない雇用契約は、退職届を提出してから2週間で終了します。この規定は労働者がどこにいるかに関係なく適用されます。海外赴任中であっても、退職届が会社に届けば退職は成立します。
「赴任中は退職できない」は誤り
一部の企業では、赴任規程に「赴任期間中の自己都合退職は認めない」「任期満了まで退職できない」といった条項を設けていることがあります。しかし、このような規定は民法627条に反しており、法的拘束力はありません。退職の自由は労働者の基本的権利であり、就業規則で制限することはできません。
海外赴任中の退職で考慮すべき5つの問題
1. 帰国費用の負担
海外赴任の帰国費用は、多くの企業で赴任規程に定められています。任期満了時の帰国費用は会社負担が一般的ですが、自己都合退職の場合の取り扱いは企業によって異なります。
| ケース | 帰国費用の一般的な取り扱い |
|---|---|
| 任期満了による帰国 | 全額会社負担 |
| 会社都合の帰国命令 | 全額会社負担 |
| 自己都合退職による帰国 | 企業により異なる(赴任規程を確認) |
| 赴任中のパワハラ等による退職 | 会社に責任がある場合は会社負担を主張可能 |
赴任規程の確認方法:まず赴任前に受け取った赴任関連書類を確認してください。手元にない場合は、人事部門に赴任規程の開示を求めることができます。帰国費用の全額自己負担に納得できない場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
2. 現地住居(社宅・会社手配アパート)の退去
海外赴任者の多くは、会社が手配した住居に住んでいます。退職に伴い退去が必要になりますが、即日退去を求められることは通常ありません。一般的には退職日から1〜2ヶ月程度の猶予が設けられています。
3. 家族の帯同がある場合
配偶者や子供が帯同している場合、帰国に伴う引越し、子供の転校手続き、配偶者の就労ビザの問題など、考慮すべきことが増えます。退職の意思が固まったら、できるだけ早い段階で家族と話し合い、帰国の準備期間を確保してください。
4. 現地法人との雇用関係
海外赴任の形態によって、退職手続きが異なります。
- 出向(在籍出向):日本本社との雇用関係を維持したまま現地法人で勤務。退職届は日本本社に提出
- 転籍出向:日本本社との雇用契約を終了し、現地法人と直接雇用契約。退職届は現地法人に提出(現地の労働法が適用される場合あり)
- 直接派遣:日本本社から直接派遣される形態。退職届は日本本社に提出
5. 退職届の送達方法
海外から日本の会社に退職届を届ける方法は複数あります。
- メールで退職届(PDF)を送付 — 最も早い方法。送信記録が証拠になる
- 国際郵便(EMS)で退職届原本を郵送 — 追跡番号で到達を確認できる
- 退職代行サービスに依頼 — 退職エクスプレスが日本国内から退職届を送付
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海外赴任中に退職代行を利用した事例
事例1:東南アジア駐在のCさん(38歳・メーカー正社員)
状況:タイの現地法人に在籍出向中。現地での業務量が過大で、日本本社の上司からのプレッシャーも強く、体調を崩していた。「任期の3年を全うしないと、帰国費用を自己負担にする」と言われ、退職を切り出せなかった。
退職代行の利用:退職エクスプレスにLINEで相談(時差があるが、LINEなので問題なし)。12,800円で依頼。退職届を日本本社宛に郵送し、電話で退職の意思を通知。赴任規程を確認したところ、帰国費用は会社負担と明記されていたため、会社負担で帰国できた。
事例2:アメリカ駐在のDさん(42歳・商社正社員)
状況:ニューヨーク支店に勤務。現地の上司からのパワハラと、日本本社の板挟みでうつ状態に。家族帯同のため、退職を切り出すと家族にも影響があると悩んでいた。
退職代行の利用:家族と話し合い、帰国を決意。退職エクスプレスに依頼し、退職届を日本本社に送付。帰国後、転職エージェントを通じて別の商社に転職。帰国費用は赴任規程に基づき会社負担となった。
帰国後に必要な手続きチェックリスト
帰国後14日以内:
- 住民票の転入届(帰国先の市区町村役場)
- 国民健康保険への加入(次の会社が決まっていない場合)
- 国民年金への切替え
帰国後できるだけ早く:
- ハローワークでの求職申込み・失業保険の手続き
- 確定申告の準備(海外勤務期間の所得について)
- 運転免許証の更新(海外で期限切れになっている場合)
海外赴任中の退職を弁護士に相談すべきケース
退職代行で対応できるのは、退職届の作成・送付・電話通知です。以下のようなケースでは、弁護士への相談をおすすめします。
- 帰国費用の負担を会社と争う場合:赴任規程の解釈について会社と見解が異なる場合
- 現地法人との雇用契約の問題:転籍出向で現地の労働法が適用される場合
- 未払い賃金や海外手当の精算問題:帰国に伴う手当の清算について争いがある場合
- 競業避止義務の問題:海外赴任中に得た顧客情報や技術情報に関する制約がある場合
注意:退職エクスプレスは退職届の作成・送付・電話通知の代行サービスです。帰国費用や未払い賃金について会社と交渉が必要な場合は、弁護士にご相談ください。まずはLINEで状況をお聞かせいただければ、適切な相談先をご案内します。
海外赴任中の退職は、物理的な距離がある分、心理的にもハードルが高く感じられます。しかし、退職の権利はどこにいても同じです。退職エクスプレスなら、時差があってもLINEで相談でき、日本国内での退職手続きをまるごと代行します。海外赴任中の退職でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
よくある質問
海外にいながら日本の会社を退職できますか?
退職できます。退職届は郵送やメールでも有効であり、対面で提出する必要はありません。退職エクスプレスが退職届の作成・送付・電話通知を代行しますので、海外にいたまま退職手続きが完了します。
海外赴任中の退職で帰国費用は会社負担ですか?
多くの企業では赴任規程に帰国費用の負担が定められています。自己都合退職の場合でも、赴任時に会社の指示で渡航している以上、帰国費用を全額自己負担とするのは不合理とされるケースがあります。赴任規程を確認し、不明な場合は弁護士に相談してください。
現地法人との雇用契約がある場合はどうなりますか?
日本本社との雇用契約と現地法人との雇用契約の両方がある場合は、それぞれについて退職手続きが必要です。現地法人との契約は現地の労働法が適用される場合があるため、複雑なケースでは弁護士への相談をおすすめします。
