退職届を出した。あとは2週間後に退職が成立する——頭ではわかっていても、「この2週間をどう過ごせばいいのか」は意外とわからないものです。出社しなければいけないのか、有給を使えるのか、引き継ぎはどこまでやるべきなのか、同僚にはどう接すればいいのか。

この記事では、退職届提出から退職日までの2週間の過ごし方を、法律面・実務面・メンタル面から詳しく解説します。

まず確認:2週間ルールの法的根拠

民法627条1項:「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」

つまり、退職届が会社に届いてから2週間で退職が成立します。この2週間は「会社が後任の手配や引き継ぎを行うための猶予期間」という意味合いがありますが、この間に出社しなければならないという法的義務はありません。

2週間の過ごし方——3つのパターン

パターン1:有給休暇を消化して出社しない

最も多いパターンです。有給休暇が2週間分(10日)以上残っていれば、退職届を提出した翌日から退職日まで、すべて有給で休むことができます。

有給取得は労働者の権利:年次有給休暇は労働基準法39条で保障された権利であり、退職届提出後であっても取得を拒否することはできません。会社には「時季変更権」がありますが、退職日以降に変更することはできないため、退職前の有給消化を拒否する法的根拠はありません。

パターン2:出社して引き継ぎを行う

円満退職を目指す場合や、責任あるポジションの方は、2週間のうち一部を引き継ぎに充てることもあります。

引き継ぎの進め方

日程 やるべきこと
1〜3日目 引き継ぎ資料の作成(担当業務一覧、進行中の案件、取引先の連絡先、マニュアルなど)
4〜7日目 後任者への説明・OJT。質問を受け付ける
8〜10日目 取引先への挨拶(必要な場合)。私物の整理・会社備品の返却
11〜14日目 有給消化(残りの日数で)

パターン3:即日退職(出社しない)

退職代行を利用する場合に多いパターンです。退職届を提出した日を退職日として、即日退職が成立することもあります。以下のケースでは即日退職が認められます。

退職届提出後に起こりがちなトラブルと対処法

トラブル1:「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」

引き継ぎの完了は退職の条件ではありません。民法627条により、退職届提出から2週間で退職は自動的に成立します。「引き継ぎが終わらないから退職日を延長する」と会社が一方的に決めることはできません。引き継ぎ資料を作成して渡せば、十分な対応と言えます。

トラブル2:退職届を「受理しない」と言われた

退職届は「受理」される必要はありません。会社に届いた時点(メールの場合は送信・到達した時点)で効力を発生します。「受理しない」と言われても、退職届が届いた日から2週間後に退職は成立します。

トラブル3:退職撤回を求められた

退職の意思は一度表明したら、原則として撤回できません。逆に言えば、会社から「退職を撤回してほしい」と言われても、応じる義務はありません。自分の意思で退職を決めたのであれば、その決断を貫いてください。

トラブル4:退職届提出後の嫌がらせ

「辞める人間にやらせる仕事はない」と仕事を取り上げられたり、逆に大量の仕事を押し付けられたり、同僚から無視されたりするケースがあります。これは退職ハラスメントであり、違法です。証拠(メール、録音、メモ)を記録し、必要に応じて労働基準監督署に相談してください。

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メンタル面——2週間をどう乗り越えるか

気まずさへの対処法

退職届を出した後の2週間は、精神的に最もつらい期間かもしれません。「裏切者」と思われているのではないか、陰で何を言われているのかと、必要以上に気にしてしまうことがあります。

退職日当日にやること

事例:有給消化で一度も出社しなかったGさん(27歳・営業職)

状況:上司のパワハラに耐えきれず、退職代行を利用。退職届を郵送し、同時に残っていた有給18日分を申請。退職届提出日から退職日まで一度も出社せず退職が成立。引き継ぎは資料をメールで送付して対応。

退職後:2週間の有給消化期間中に転職活動を開始。退職日の翌月には新しい会社で働き始めた。

退職届提出後の2週間は、新しい人生への準備期間です。出社するかしないかは、有給の残日数と自分の精神状態に合わせて判断してください。退職の手続きに不安がある方は、退職エクスプレスにお気軽にご相談ください。

退職エクスプレス編集部

この記事を書いた人

退職エクスプレス編集部|退職代行サービスに関する正確な情報を、法的根拠に基づいてお届けします。退職に悩む全ての方が、安心して次の一歩を踏み出せるようサポートします。

本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、法律相談ではありません。個別の事案については弁護士や各公的機関にご相談ください。退職エクスプレスは退職届の作成・送付・電話通知による退職意思の伝達を代行するサービスであり、会社との交渉は行いません。

よくある質問

退職届を出した後、2週間は出社しなければいけませんか?

必ずしも出社する必要はありません。有給休暇が残っていれば、2週間すべてを有給消化に充てることができます。また、会社と合意すれば即日退職(退職届提出日=退職日)も可能です。

退職届を出した後、会社から嫌がらせを受けたらどうすればいいですか?

退職届提出後の嫌がらせ(退職ハラスメント)は違法です。業務上必要のない仕事を押し付ける、無視する、退職を撤回するよう圧力をかけるなどの行為があった場合は、証拠を記録し、労働基準監督署に相談してください。

引き継ぎをしないと損害賠償を請求されますか?

引き継ぎをしなかったことだけを理由に損害賠償が認められた裁判例はほとんどありません。ただし、引き継ぎ資料の作成や重要事項の共有は、社会人としてのマナーであり、可能な範囲で行うことをおすすめします。